秋の終わりごろにTAKAがまたツアーに出た。
木枯らしが吹く寒い早朝にTAKAが出て行った。
出て行くときに「俺も浮気しないから、お前も浮気しないでね。」とTAKAが言った。
「あー、はいはい。」と真帆が面倒くさそうに答えた。
こんな感じで結婚していいのだろうか?
激しい疑問がまた湧いてきた。
でも今現在
一所懸命生きた25年の人生の結果
結局はこんなのらりくらりとした
ベース弾きしか真帆の生活にはいなかった。
風で乾燥した落ち葉がカサコソと舞う音が外でした。
あまりの寒さに真帆がマンションのドアを閉めながら
「あんまり羽目を外して恥ずかしい思いを私にさせないでよ。」言い、
「ちゃんと生きて帰って来てね。」と付け加えた。
何だかTAKAが嬉しそうな顔をして
「じゃ、またね。」と言った。
グレーのどんよりした厚い雲の隙間から
ぼんやりと朝日が差していた。