また行く年来る年の鐘の音がTVから流れた。
真帆は急にKENちゃんの家族にバレないように、KENちゃんの家で抱かれた大晦日を思い出した。
あれから5年も経ってしまった。
本当にKENちゃんがいれば何もいらなかったのに・・・・。
それから真帆はKENちゃんと19歳の時に一緒にしたクリスマス温泉旅行を思い出した。
真帆の19歳のクリスマスは本当に幸せだった。
あー、よかった。
KENちゃんでよかった。
田中さんと高いホテルのスウィートルームなんかじゃなくて良かった。
KENちゃんはやはりかっこいい。
田中さんじゃなくて良かった。
将来バンドがダメになっても・・・・・
KENちゃんなら余裕でお父さんの工務店を継げそうだわ。お店屋さんとかも向いてそう。
でもKENちゃんくらい優しくてかっこよかったら・・・
もう貧乏でもなんでも我慢するよ。
KENちゃんだったら髪が黒い普通のおじさんになっても
お釣りが来るくらい素敵だと思う。
真帆はふとTAKAを思い出した。
いつも不機嫌で・・・
多分音楽やっていなかったら
生活力ゼロで
餓死しそうな・・・・
切なくなるような美しい金髪の男の子だった。
真帆の脳内に
19歳の時の思い出が急にフラッシュバックしはじめた。
5年経ったクリスマスでは
振り出しに戻って
今じゃ金髪のTAKAが婚約者だった。
この間はLSDで泡を吹いて
棺桶に片足を突っ込んだ聖夜で・・・・。
ついにTAKAと結婚するんだね・・・・。
自分の人生で一番欲しかった
KENちゃんは無理だと
もう分かった。