そこにKENちゃんがいるという事実に真帆がぎょっとした。
KENちゃんは真帆と目を合わせようとしなかった。
真帆は初めてKENちゃんの奥さんを見た。
自分と何もかもが正反対の人だった。
これから結婚したり子供を一緒に作る人とは思えない・・・と言われてKENちゃんに振られたのは2年前だった。
真帆はKENちゃんの奥さんを見て本当に悲しくなった。
そのままKENちゃんと奥さんが部屋を出て行った。
KENちゃんがパタンとドアを閉めた音が
真帆には残酷に響いた。
真帆はそのまま25日の朝まで病院にいて
25日の午前中には迎えに来たTAKAと一緒に
自分のマンションに帰って来た。
カーペットの上に真帆がKENちゃんの奥さんの
妊娠・出産・育児の本を発見した。
「KENちゃんに電話して真帆が具合が悪いっていったら、人工呼吸方とか載ってるから奥さんの本を持ってきたんだよ。俺、返さなきゃ・・。」
真帆が本を拾い上げた時、真帆の指にはまった婚約指輪のダイヤが冬の日差しを受けてきらきら輝いた。
何もいらないからKENちゃんだけが欲しかった。
でも駄目だった。