碧いラフレシアの花 その319 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

連載性春小説  碧いラフレシアの花

好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代




母親の借金は真帆が返していった。

同居人のTAKAが家賃と生活費を半分払うので

今回の返済は楽だった。



これ以上の母親の借金に真帆は関わりたくなかった。

だから、またサラ金から金を借りても

責任は一切取らない・・と真帆は母親に釘を刺した。



11月になって

玄関にふらりと

予告なしに

母親が現れた。


競馬に負けて

食費がないとか

寒くても灯油が買えないとか・・・

そういう事を言いながら

金を無心に来た。


「もう、一度やり直そう真帆。2人だけの親子じゃないの・・。」

お母さんが寂しそうに言った。

もうヒステリックに怒ってはいなかった。


本当に金が無さそうだったので

真帆が財布から3万渡した。

「あげるから・・。もう競馬はやめてね・・。」



「やめたら・・・また一緒に暮らしてくれるかい・・?」

母親がそう言いながらこわごわと真帆の顔を覗いた。


「い・・一緒に暮らしてる人がいるからごめんね・・。」

「結婚するのかい・・?」

「あ・・・、多分・・・。よく、分かんないけど・・。」

「あれが婿で、将来3人で一緒に暮らすかと思うと・・・もう・・地獄だよ・・。」

お母さんがため息をついた。


お母さんが紺色のジャンパーのジッパーを閉めながら・・・

「子供が出来たから、お母さん結婚します・・・とか言うのはやめてくれよ。」

とぼやいた。

「もう・・心配だよ・・。」



お母さんがそう言いながら去っていった。


お母さんの紺色のジャンパーが晩秋のグレイの街の中に小さくなって消えていった。


リビングからTAKAがTVでお笑いを観て笑う声が響いた。


TAKAは4年前に死ぬほど好きな人だった。




少しずつ皆が違う方向を向いて

少しづつ歩いていって





気がついたら

ちょっと

もう、バラバラに

なっていた・・・。