呉が真帆を真帆の家からちょっと離れた所で車から降ろした。
車のドアを開けたときに呉が真帆にキスをして来たので真帆がびっくりした。
「結婚してるのですか?」呉が聞いてきた。
「してません。」真帆が答えた。
「お子さんは?」さらに呉が聞いてきた。
「いませんよ。」真帆が面倒くさそうに答えた。
「僕は日本に住みたいんです。だから日本の女の人と結婚してみたい。日本に住めるビザが取れた後に離婚してくれてもいいです。僕は貴女を騙すつもりはありませんよ。だから本当の事を話しています。僕と結婚して欲しい。」
「あのね・・。一緒に暮らしている人がいるのよ。」
「あの青い髪の怖い人ですか・・?」呉が苦笑した。
「でも結婚はしていませんよね?」
「あのね、何で私がそんな話に乗らなきゃいけないの?」
「結婚してくれたら、クスリはダダで毎日あげます。それから食費とか僕ものは全部僕が払うので、迷惑はかけません。」
「あのね、そんなおかしな話聞いたことがないわよ。」
「でも・・、もし僕にビザが来て・・それでも僕と結婚しつづけてくれる・・・というなら・・。もし、僕を好きになってくれたら・・・。クスリはやめてください。僕の子供を産んでください。僕は貴女に死んで欲しくないです。」
「何も知らない人と結婚するの?おかしいよ。」
「僕が麻薬を売るのは労働ビザがないからです。でも結婚してビザが整うようになったら少しずつこんなおかしな商売はやめます。あなたも一緒にマトモになりましょう・・。」
真帆が涙をこぼした。
「また寝てくれたらタダでクスリをあげます。電話ください。待ってます。僕はクスリはやりませんから・・。」
真帆は何も答えなかった。
振り返らずに真帆はKENちゃんのいるアパートに向かった。