碧いラフレシアの花 その203 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

連載性春小説  碧いラフレシアの花

好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代



もう11月も終わろうとしていた。

呉と一緒に真帆は車でホテルに向かった。


風邪のせいか、少し熱っぽかった。

おでこをクリアな窓ガラスに押し付けたら

冷んやりとして気持ちが良かった。


信号待ちの所で呉が真帆に話しかけた。

「お名前お伺いしてよろしいですか?」

「・・・・・・・。」

「嫌ですか?」

「もう、私の家には来ないで・・。電話も絶対嫌。」

「私の電話番号を教えましょう。お嬢さん、また会いましょう。」

呉が優しい口調で言った。

それから真帆の頬を手の甲で優しく撫で始めた。

「今、クスリが入っていますか?」呉が聞いた。

「はい・・。」

「そうしたら気持ちがいいでしょうね・・。僕が抱いてちゃんと気持ちよくしてあげますよ。」



KENちゃんはツアーから帰って来て、しばらくは真帆を抱いてくれた。

でも最近はずっとセックスがなかった。

それからKENちゃんによって、クスリが全面禁止になったので・・・


今・・クスリが入っているときに

呉に抱かれるのかと思うと

体がうずいた。


KENちゃんの事は

自分の命よりも大切だった。


でももう真帆はどうしようもない

地獄の底に

片足をつけていた。


「あの人には言わないで・・。私の好きな人には喋らないで・・。」

真帆が涙ぐんだ。


「何も僕は言いませんよ。」

それからちらっと真帆を見た・・。


「綺麗な・・方・・ですね・・。」


真帆のカバンの中には既に呉から貰ったドラック5回分が入っていた。

真帆の目から涙が流れた。


「泣かないでくださいよ。もっと楽しみましょうよ。」

呉がそう言った時

信号が青になった。