碧いラフレシアの花 その132 | 連載性春小説  碧いラフレシアの花

連載性春小説  碧いラフレシアの花

好きじゃない人と天国へ行くよりは


好きな人と地獄に行きたい


ある女の子の80年代


田中さんが春の花市場で仕事をしていた。

この仕事はうんと早朝に始まるけど早く終わってしまうので、その後ゆっくり司法書士になるための勉強が出来るのだ。

司法書士になるために予備校が出してる通信教育講座を受けていて、自宅のマンションで宅浪している受験生のように猛勉強した。

マンションの家賃は裕福な田中さんの実家が援助してくれた。


田中さんは会社を首になった後就職しようとして面接を受けたが落ちまくった。

どうやら面接官が前の職場に電話して「退職理由」などを聞いているようだ。

そういう事は聞いたことがあるが・・まさか自分が解雇処分になるなんて夢にも思わなかった。


真帆の男があんな挑発の仕方をしなかったら会社一の出世頭だったのに・・・。



情けない事に田中さんは真帆がまだ恋しかった。


田中さんが30歳になって知った初めての深い情愛だった。




早朝から田中さんは赤いカーネーションをいっぱい運んだ。

母の日が近づいているので、商品がカーネーションばかりになっていた。


暖かい春の朝の光がカーネーションをくっきりと照らしていた。