<しつこいフォロー>
戦略で「絞る」ことは「捨てる」ことだと先に言った。広川のケースで言えば、優先度I・IIのセグメントに集中しろと言う指示は、とりもなおさず、それ以外の市場はとりあえず捨てておけということを意味する。(中略)
戦略性と実戦性が両立しないと、セグメンテーションは格好だけつけている企画担当者やコンサルタントの屁理屈に終わってしまうのである。
そしてさらに大切なことは、仮に実戦性のあるセグメンテーションが開発できたとしても、それが本当に実行されているかどうかは、よほどしっかりしたモニターと管理を続けない限り、把握できないということだ。
(中略)
私の経験ではセグメンテーションを成功させる上で最も大切なことは、それをしつこくフォローするシステムを持つことである。
P270 三枝匡『戦略プロフェッショナル』(日本経済新聞出版社, 2002)
勝手に「日本版ジャック・ウェルチ」だと思っている三枝匡さん3部作の1作目を再読。実話を元にした会社再建物語で、1ページごとに心に響く箇所があります。引用部は、戦略が成し遂げられるかどうかは、上がしつこく経過を追い続けられるかどうかだ、という重みのある文章です。
三枝さんは、つぶれかけの会社に社長として入社して建て直す、という恐ろしい仕事を数十年続けた方で、現在は超優良企業のミスミ社長。細身な身体からものすごいオーラを出している方です。
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