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実学のすすめー会計、ファイナンス、経済、経営についてー

経済、会計、統計、ファイナンス、資金調達、財務分析、ビジネスモデル把握、人物分析、会社法、組織論などのテーマをできるだけ簡単に解説できたらと思っています。時には仕訳を使い、時には簡単な算式を使いみなさんの理解の助けになればと思います。

今年も地味にブログ続けて行きます!


読んでくれたらうれしいです!

減価償却費とは投資費用の期間按分を行った結果です。


例えば1000万円の営業車両を買ったとする。


現金は購入時に支払う訳で減価償却の考えがなければ購入した期に1000万円の費用が立つことになる。

(当たり前のことではあるが現に投資CFでは▲1000万円となる。)


しかし、この営業車両はこの期だけ使う訳ではなく継続して何年か使用し利益獲得に貢献する。それであればその期間に合わせて費用も按分すべきであるとの考えに基づき減価償却費というものがあるわけです。


耐用年数が4年、定額法で考えると


1年目 250万円

2年目 250万円

3年目 250万円

4年目 250万円


といった具合で費用計上されていきます。

(これは現金支出を伴わない費用であるため営業CFに足し戻される。)


また、減価償却により使用による資産の価値減少を帳簿上でざっくりと把握することができます


これらを考えれば費用を按分し、それを差し引いた上でも利益が出ているのであれば投資は足元うまくいっているといえるのでないでしょうか


仮に全額資金調達を借入にて賄っていても基本的には償却期間に見合った期間となるため減価償却後利益が黒字であればその借入の返済は苦ではないということになります。





設備投資を行うときに何を判断基準にすべきだろうか?


設備投資には大きく分けると3種類ある。


①設備更新②新規設備、③設備増強だ。

今回のブログでは新規設備について語りたいと思う。


新規設備の例としては新しい商品を作るための設備を導入したり今まで手で行っていた作業を機械化(自動化)、いままで賃貸にて対応していた駐車場を購入するなどが挙げられる。


では、新規設備導入によりどういった変化が生じるだろうか?


①売上げの増加


②固定費の削減


これらにより利益が増加するという訳です。


仮に設備投資による効果が②である場合は非常に分かりやすいです。


その年間固定費削減額とその設備単体の年間減価償却費を比べて


現状の年間固定費>設備の年間減価償却費


となるのであればその設備計画は採用すべきです。逆であれば不採用とすべきです。


【例】―――――――――――――――――――――――――――ー――――

3人の手作業で行っているラインがあったとして年間1000万円の労務費がかかっていました。それを自動化することでその三人の労務費は削減することができる機械があります。それは5000万円で耐用年数は12年です。


現状 年間1000万円


今後 6000万円÷12=年間500万円


年間固定費 1000万円 > 年間減価償却費 500万円


よってこの設備計画は採用すべき。

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まあ、固定費削減案件でも機械化することで製品の質が上がったり生産能力が向上したりということもありえるのでそういったことも考慮すればもっと質の高い検討となるでしょう。


~つづく~