司会:自転車は歩道を走るものという事に長らくなっていたのに、どうしてまた急に車道を走らせるようにしたのですか。
本田(鳥飼総合法律事務所弁護士):まず、法改正の中身から見ていきましょう。道交法の平成45年の改正で、「二輪の自転車は、第17条第1項の規定にかかわらず、公安委員会が歩道又は交通の状況により支障がないと認めて指定した区間の歩道を通行することができる。」(旧17条の3)とされ、自転車通行可の標識がある歩道は自転車が通行できるようになりました。
司会:自転車通行可の標識はあまり意識しないで、歩道を自転車で走っていたように思います。歩道の標識を見て、自転車が通行できるかを判断して、歩道と車道を走り分けている人は周りにもほとんど聞いたことがありません。
本田:そうですね。実際は、自転車通行可の標識が、自転車の乗員がしっかり視認できる場所に設けられているかというとかなり疑問ではありますね。そのような状態で、標識がないからという理由で、歩道を通行する自転車を取り締まるのは問題が大きいものと思われます。
司会:では、その昭和45年の改正以後、自転車が歩道を走ることについて、さらに改正が行われたんですよね。その標識問題も含めて。
本田:確かに改正は行われました。一番、大きな改正は、平成19年のもので、これで現行法となっています。具体的には、自転車が歩道を走ることができる場合とは、以下の3つの場合となっています。
① 道路標識等で自転車が通行できるとされているとき
② 児童、幼児、70歳以上の人、障害者が自転車で通行するとき
③ 安全を確保するためにやむを得ないと認められるとき
司会:結局、標識問題は解決されていないのですね。
本田:確かにそうですが、自転車通行可とされた標識がない歩道であっても、②、③の場合には自転車が通行できることとされたわけですから、自転車が歩道を通行できる場合を拡大したとも言えます。その後、平成27年に導入される自転車運転者に対する警告等の仕組みには、①~③に該当していない場合には警告を受けると言う意味で、その要件を明確化したことになります。
司会:これは、素朴な疑問ですけれど、実際に、自転車が歩道を通行できるかどうかの判断は、標識以外ではできないのでしょうか。
本田:これは、別の法律が絡んできますので、次回また詳しくご説明します。
