ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2023年02月13日に、EU(European Union/欧州連合)は2023年02月09日に開いた首脳会議(サミット)で、グリーン産業への国家補助の規制を一時的に緩和することで合意したと報告した。
しかし、EUと米国、中国では、支援金額に隔たりが大きい。
https://note.com/digicreatorito/n/n14f95d1db4f8
米国が「IRA(Inflation Reduction Act of 2022/インフレ抑制法)」で打ち出した国内企業優遇策や中国の国家補助に対抗し、再生可能エネルギーや水素、BEV(Battery operated EV/バッテリー式EV)などの分野でEU域内企業を支援する狙い。
米国で2022年08月に成立したIRAは、エネルギー安全保障と温室効果ガス排出量の削減に向け、EVなどのグリーン技術を対象に向こう10年に総額US$3,690億の税控除や補助を提供する内容。
税額控除の条件として北米での製造を求めていることから、EU企業が米国に生産を移転することが懸念されている。
EC(European Commission/欧州委員会)はこれに対抗するため、先に発表した「グリーンディール産業計画(Green Deal Industrial Plan)」で、2025年末まで国家補助規制を緩和し、グリーン産業の投資を支援する案を打ち出していた。
EU首脳らはこの日のサミットで、「国家補助手続きを簡素化・迅速化し、見通しを立てやすくする」必要性で合意。「グリーン化に向けた戦略的分野や外国の補助およびエネルギー価格高騰の打撃を受ける分野を対象に、税控除などを通じて的を絞り込んだ一時的で妥当な支援を早急に実施する」ことを決めた。
また、既存のEU基金についても、「より柔軟な展開」が必要とし、「資金へのアクセスを改善する方法を検討するべき」としている。
ロイター通信によると、国家補助規制の緩和を巡っては、経済力のあるドイツとフランスの企業が有利になるとして、オランダやアイルランド、チェコ、北欧諸国が懸念を示している。
2023年02月07日---また、米国が動き出した「北米産EV優遇」標準化作業。