RCEP、15か国が署名。世界最大GDP規模の貿易協定。 | 世界メディア・ニュースとモバイル・マネー

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日本経済新聞 電子版、AFP(Agence France-Presse)、Yahooニュースなど、さらに首相官邸は2020年11月15日に、中国主導のRCEP(Regional Comprehensive Economic Partnership/東アジア地域包括的経済連携)の協定に、ASEAN(Association of Southeast Asian Nations/東南アジア諸国連合)加盟10か国に中国、日本、韓国、ニュージーランド、オーストラリアを加えた15か国がテレビ会議形式の会合を開き、協定に署名した。

 

アジア周辺で影響力を拡大する中国にとっては、大きな成功であるとみられている。

 

中国はASEANやオーストラリアなどと貿易協定を結んだTPPなど大型FTAには参加していない。中国の首相李克強(中国总理李克强/Premier Li Keqiang/リー・クォーチャン)首相は「RCEP署名を機に地域経済の一体化がさらに進む」と強調した。

 

中国の国家主席習近平(习近平/President Xi Jinping)は2020年11月04月に、経済政策を担う共産党組織、中央財経委員会の会議で「国際的なサプライチェーン(供給網)を我が国に依存させ、供給の断絶で相手に報復や威嚇できる能力を身につけなければならない」と強調した。輸入拡大をテコに国際社会で影響力を高めたいとの思惑が透ける。

 

政権交代に揺れる米国では、RCEP実現で孤立するのを懸念する向きがある。

 

https://time-az.com/main/detail/73156 

 

 

専門家らによると、RCEPはGDP(Gross Domestic Product/国内総生産)の面で世界最大規模の貿易協定となる。

関税引き下げや域内でのサービス貿易の拡大が盛り込まれたこの協定に米国は含まれておらず、米国が抜けた環太平洋連携協定(TPP)の代替となる中国主導の貿易協定ともみられているという。

 

インドは2019年、国内に安い中国製品が流入することを懸念し、RCEPから撤退した。

 

後から参加することも可能だが、インドを除いても参加国合計の人口は21億人に上り、GDPは世界の30%を占める。

 

RCEPをめぐっては、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権下の米国がTPPから離脱したことを受け、中国がアジア太平洋地域における貿易のルール作り進める手段となっているとの見方もある。

ジョー・バイデンは、オバマ前政権でTPPを推し進めた一人で、TPPは中国包囲が目的だったが、発足前にトランプ大統領が離脱した。バイデンは日本などと再交渉した上でTPPに復帰する可能性を一時示唆した。

 

しかし、情報調査会社IHSマークイット(IHS Markit)のエコノミスト、ラジブ・ビスワス(Rajiv Biswas)は「アジア諸国に米国の雇用が奪われる懸念から、米国有権者の多くがTPP交渉にかなり否定的反応を示していることを考慮すると、TPP参加は当面の優先課題にはならないと予想される。」と述べている。

 

さらに、民主党は大統領選で、政策綱領に「米国の競争力に投資する前に、新たな貿易協定の交渉はしない」と明記した。バイデン氏は政府調達で米国製品を優先する「バイ・アメリカン」なども公約に掲げ、保護主義的な色彩を強める。

 

民主党関係者は「2年後に中間選挙がある。TPPなど野心的な貿易交渉は当面棚上げになる」と話す。

 

EU(European Union/欧州連合)は、Brexit(英国離脱) に伴う通商交渉が難航したが、先が見え始めている。

 

RCEPについては、コロナの大打撃で、イギリス、フランスはパンデミック後、中国との「通常のビジネス」はないと言っいる。

 

イギリスは、かねて日本と日イギリスのEPAを足掛かりとして、日本やカナダ、オーストラリアなど11カ国から成る「CPTPP(Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership/環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定/通称TPP11)」に参加する意欲を示し、日本に協力を要請している。

 

RCEPは拒否したインドも、日本との友好関係から、TPPに参加する可能性は高い。

 

実際のところ、中国がかなり現状を打破し、努力をする必要があり、多くの参加国は、世界最大GDP規模の貿易協定であるが、RCEPに片足を乗せているだけである。

 

現状の習近平の態度では、シーソーの足を外す国もでくる。

 

2020-11-10---中国とオーストラリアの外交関係修復は、複雑。

2020-11-08---マレーシア、対米貿易の促進で、バイデンへの期待高まる。

2020-11-08---バイデン勝利で各国首脳、献金した富豪たち相次ぎ祝意。保守系メディアも宗旨替え!

2020-10-29---習近平主席、2035年までに中国の経済規模の2倍は「完全可能」と発言。

2020-10-23---日本とイギリス、経済連携協定を締結。

2020-04-17---イギリス、フランスはパンデミック後、中国との「通常のビジネス」はないと言った。

2019-11-04---インドが抵抗、離脱も示唆し、RCEP年内妥結断念。

2019-10-08---ASEAN事務局長、ミャンマーはRCEP参加に時間必要。

2019-02-08---タイのソムキット副首相、TPPは現政権下で道筋。