海の酸性化でカニの甲羅が溶けている。 | 世界メディア・ニュースとモバイル・マネー

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Forbes JAPANは2020年02月02日に、海の酸性化が進んだことにより、米国の西海岸に生息するカニの甲羅が溶け始めていることが最新の研究で明らかになったと報告している。

 

https://time-az.com/main/detail/71094

 

 

学術ジャーナル「Science of The Total Environment」で発表された論文で、海水の酸性化の進行により、サンフランシスコ名物のダンジネスクラブ(Dungeness Crab/Metacarcinus magister/アメリカイチョウガニ)の、若い個体の甲羅の発育に影響が及んでいることが指摘された。

 

 

人類が大気中に放出する二酸化炭素の約3分の1は海によって吸収されるが、それが海水の酸性化につながっている。

海洋の酸性化は、海の生態系に深刻なダメージを与える。

 

貝類やサンゴなどの海の生物は、海水中に含まれるカルシウムイオンと炭酸イオンから、炭酸カルシウムの骨格や殻を作っているが、海洋の酸性化が進行し、海水中の水素イオンが増えると、炭酸イオンが減り、炭酸カルシウムの殻の形成が困難になると言うのである。

 

彼らの体を覆う殻は直接、海水に接触しているから、カニのような甲殻類は海洋酸性化の影響を最も受けやすい。

太平洋の海水の酸性化が進むと、ダンジネスクラブの生育に重大な被害が及ぶことは、数十年前の研究でも指摘されていた。

 

今回の研究結果は、太平洋北西部沿岸の漁師たちが漁業の将来を考える上で、重要な指標を提示したといえる。

 

しかし、海の酸性化を食い止めるためには、人類による大気中への二酸化炭素排出を減らす以外の方法は存在しない。