授業内容

【前半】

講師の先生から、ジャーナリストとしての心構えについて教わりました。

先生によると、まずジャーナリストになる前に問わなければいけないことが二つあります。一つは、最初になぜこの仕事でなければいけないのかを問うこと。そして、もう一つは日々勉強しろということです。勉強というのは本だけではなく、様々な人と付き合うことも大事であるという言葉が印象的でした。

また、ジャーナリストになった後に忘れてはいけないことについて伺いました。一つ目は、「全ての人の声を聞こうとすること」です。政治の世界には100:0という状況はあり得ません。あったとしても51:49であるので、49の声にも耳を傾け続けることは大事なことです。二つ目は、適度の懐疑心を持つことです。先生は、絶対的な正しさがあるとジャーナリストは思ってはいけないと語りました。例えば、事件取材で学校の先生や同級生、近所の住人に取材をすることについて、彼らは当事者の何を知っているのだろうか、あたかもそれが全てであるかの報じられてしまう報道に疑問を持っていました。新聞記者は、取材対象者の人生を良くも悪くも、たった数日で変えてしまう力を持っています。だからこそ、批判される立場になって再考したり、その問題の本質を自身の中で問い続けることが必要だと仰いました。三つ目に鳥の目と虫の目で社会を捉えることです。大きな目で歴史や背景などの全体図を見て、他方では人々の喜びや悲しみなどの見る必要性を伺いました。ロシアのウクライナ侵攻に関しても、人々の喜びや悲しみという視点ではニュースを捉えられているけれど、ロシアとウクライナの歴史や、ロシアとNATOやアメリカの関係であったりの鳥の目でも社会をもっと捉える必要があるとし、一方で「共感がなければいけないけれど、共感に溺れてはいけない。」というお言葉をいただきました。

40年ほどジャーナリストという職業に真摯に向き合っている先生から学ぶことは非常に多く、ジャーナリズムについて深く考えるような講義になりました。ジャーナリストとは何かについて考えていく中で、非常に難しい職業であることもわかりました。「懐疑心を持たなければいけないけれど、自分を信じなくてはならない。」、「共感しなければならないけれど、共感に溺れてはいけない。」先生も多くの葛藤とぶつかってきたのだろう、とそんなことを感じるエピソードも伺いました。しかし本来、人の人生や社会を変える可能性を持つジャーナリズムにはそれだけの責任が問われるべきであるし、自分がなろうとしているものがどれだけの覚悟を持って望まなければいけないのか、改めて感じさせられる授業になったと思います。また、話も面白く引きこまれていき、気がついたら二時間が経っていました。この度は、お忙しい中来てくださりありがとうございました。

【後半】

4年生の先輩方へコース生から事前に集めた質問項目を元に、質問会を行いました。インターンや、筆記試験、就活に臨むにあたってなどを教えていただきました。私たちの一つ上ということで、同じような就活を経験された先輩の話はよりリアリティがあって非常に良い機会になったと思います。職業も新聞、放送、一般と三者三様であったのでそれぞれの視点からの就活を伺うことができました。授業後の自主自主の論作文まで出席していただき非常に助かりました。

 

全体の感想

講師の方の授業も、四年生の先輩方の授業もそれぞれが自分の疑問に思うことを考えながら、良い姿勢で授業を受け取っていたと思います。四年生の先輩方の授業では、事前に作成した質問からさらに発展して質問が多く出ていました。また、就活についての初歩的なところ(ESの概要など)についても質問しているコース生もいて、今それぞれが持っている就活への疑問を解消することができたと感じました。