はじめに、自分の名前を出した上で、個人のコラムを書くことができる編集委員の魅力について教えて頂いた。その後マスコミの役割について教えて頂いた。1つ目は「自ら主張する術を持たない人々の味方になること」。これは、世の中は不平等であり、社会的に地位があり発言力がある人もいればそうでない人もおり、後者の人の味方になるべきだとのこと。2つ目は、「なぜ?に対しあらゆる手を使って手助けをすること」。これは世の中で起きている様々ななぜ?にあらゆる手を使って手助けをするべきだとのこと。また、講師の方は、大学のマスコミ論ではよく「権力の監視が役割」と言われるが、権力は実在するものではないため違和感を持っている、とのこと。そして「何故?を考えるときにあまり固まった考えを持たないこと」と、「新聞の切り抜きをすること」の2つも大切だと教えて頂いた。

 

次に3つのジャーナリストの役割について教えて頂いた。1つ目は「健全な相対主義をもつこと」。人は様々な考え方を持っているのだということを柔軟に考えるべきだとのこと。2つ目は「適度の懐疑論をもつこと」。自分の信念に従って記事を書くことはもちろん良いが、どこか間違っているのではないかと自問自答すべきだとのこと。3つ目は「鳥の目と虫の目をもつこと」。これが最も大切なこととのこと。物事を鳥のように俯瞰して捉える鳥の目と、歴史などの背景を考える縦軸とその時世界はどうなっているかを考える横軸を使う虫の目の両方をうまく使い分けて併用し、立体的・多角的な視点で物事を考えるべきとのこと。以上の3つの役割を意識して、来月末に「米中貿易摩擦」をテーマとして4グループに分けグループワークを行なっていくようおっしゃられ、質疑応答ののちに授業は終わった。

 

お話が上手で皆、興味深そうに先生のお話を聞いていた。私も含めメディアを勉強している学生が一定数いる中で学問としてのマスコミ論と、現場の方がおっしゃるマスコミ論の違いに驚いた講座生は多いと思う。次回からグループワークを行うということなので、これを機にグループをキャンパスで分けたため、土曜日にとどまらず自主自主を行うことができると感じた。