青春リアル 取材2
・ECSについて
ECS(Edit Control System)と呼ばれる場所では主にテロップ入れなどが行われます。普段テレビを見ていて気にも止めないテロップ。しかし番組の裏側では、シーンに応じて色合いを変えたり、テロップの出し方を変えるなど、一つ一つに時間をかけて作業をしていました。
私達が普段何気なく見ているテロップの中でも、話している言葉をフォローするテロップ(現場では「ONテロップ」と呼ばれています)に色をつけたり、強調したりするのは世界のテレビでは一般的ではなく、日本特有のものだそうです。またNHKは独自のルールでテロップに使って良い漢字、使用できない漢字(NHKでは“法令・公文書・新聞・放送など、一般社会における、感じ使用の目安として、内閣告示された漢字の一覧「常用漢字表」”にある漢字、およびNHKが決めた漢字にのっとって、放送表記しています。その例として「うれしい」を「嬉しい」とは使用しない)があり、細かいところにも努力がされています。
いかにテロップを使って元々の素材を盛り上げるか、この日本テレビの文化とも言えるテロップに注目しながら青春リアルを見るのも一種の楽しみ方かもしれません。

・フリースペース
今回番組のチーフプロデューサーでもある嘉悦さんに取材をすることができました。その中で私はドラマ志望という観点からドキュメンタリーを作る時ドラマ性を意識して作っているのかという質問をしました。自分の中ではドラマ性はあえて作り出すものだと考えていました。しかし、嘉悦さんの回答は自分が考えたものとは違いました。「相手の気持ちを考えて、なぜこのようなことをしたのか?ということを考える。そうすることで相手の気持ちが見えて来て、そこからテーマが見えて展開ができる。ドラマに関しても一番気になることはなぜこのようなことをしたのかという動機で、なぜ?を追求することで番組の作り方がわかるのではないか。」またドキュメンタリーに関して「人を撮っているのではなく、人間関係を撮っている。だからこそ人によって見方が違うし、関係によっても撮り方が変わってくる。」と述べていました。
「青春リアル」では私たちと同じ一般の人が取り上げられていて、芸能人ではないからこそ、ディレクターのなぜ?の追求が大切になり、番組が面白くもつまらなくもなります。制作者が何を見せるか、どこが見所なのかをとことん考え、追求する努力が「青春リアル」では見られると思います。ぜひ「青春リアル」(Eテレ 木曜日23:30~23:54 火曜日(再放送)1:00~1:24)を一度見てください。そこでは色々なことが考えられると思います。