先の合宿での演技でお涙頂戴したアナコースHです。
先日、自分が涙流す場面があったのでお話します。
「Keep it on time!」
私は代々木公園駅から某局西口玄関までの道をひたすら走っていた
何も考えずにひたすら走っていた
考えると足が止まりそうになる。
体力的な問題で足が止まるんじゃない、考えただけでそこには行きたくなくなる。
仕事は夜八時から。
すでに見飽きた携帯の表示する時間
を再び見ると、21:20、と光る。
遡る事一時間。
私は赤坂でその日知り合ったアナウンサー志望の学生たちと一献交わしていた。
ふと見るとPDという発信者からの着信
折り返さなくても用件はわかっていた、今日は八時からバイトだったのだ。
業務は某局の看板番組のスポーツコーナーの時間管理、学生のアルバイトの域を超えた大役だ。
「タイムキーパー」この肩書きをこれほどに憎んだ事は今までなかった。
先方に電話すると怒号にならないほどの罵声。
局についてまず一声「申し訳ございませんでした。」深々と頭を下げた。
「行動で起こした失敗は口ではどうにもならない」というどこかの本で読んだ言葉が頭を巡っていた。
「今はいいから、仕事に集中して。」
それもそうだ、本番であるスポーツコーナーまであと20分、遅刻した学生に説教してる時間など無い。
本番終了後
「次からもう来なくていいから」プロデューサーの方が一言。
私は必死に食いついた、とにかく言い訳しないで謝った。
「社会人なめてるだろ」とも言われたがとにかく謝り通した。
正直、この局でのアルバイトを始めて三年目になるが甘く見ていたのも事実だ。
遅刻はしたことがなかったし、「君は仕事ができるなど」と言われ、学生ではじめてプロデューサークラスの社員を交えての飲み会も実現させた。舞い上がっていた。
始めは名前を覚えてもらえず「バイト君」なんて言われていたが、今では番組の尺に関してはプロデューサーではなくまず私に聞かれるまでになっていた。
そんな甘い環境に慣れた自分が今回の失態を招いた。
どんなにいい環境にいて、いい仕事をしていても現状に満足して「このままでいいのか?」という疑問が出てこなくなったらおしまいだ。
そんな中、他のスタッフは「君に期待しているからこそ厳しくしてくれるんだよ」と慰めてくれた。
嬉しかった。
内容ではなく、そう言ってくれる人がいることが嬉しかった。
また最後に「来週スタッフのBBQあるから遅刻すんなよ」と声を掛けてくれたTプロデューサーの器の大きさにはただただ頭が上がらなかった。
これから先、仕事で遅れる事は絶対にしない。
人生のタイムキーパーになるその日まで(笑)