福島の農家の信用について
先日、福島県産農産物の放射線量を公開するサイト「ふくしま新発売。」について記事を書いて紹介しました。
個人的には「これすげえなあ、よくやった!」と思っていたのですが、この新しいプロジェクトを話題性のある廃業された農家さんが早速感情的に潰しにかかってるのが残念です。
ふくしま新発売。笑わせるな|農家の婿のブログ
簡潔に要約すると、福島県の農家の「信用」について書かれています。
農産物を作って売る前にまずは土壌の除染をしろと。順番が逆だろ。安全宣言が出された区域の作物だけ出荷して初めて信頼が得られるだろうと、まあそんな内容です。
信用を得るためのこの除染作業は、国や東電が福島の農産物を全件買取しない限り現実的にはまあ無理です。ほとんどの農家は婿さんのように廃業するしかないでしょう。
そして完全に除染するのにいくらかかるのかも何年かかるのかも全く見えない点も現実的ではありません。実際にやるとなればそれこそ形だけのものとなる危険があります。
この方はかつて農家だったこともあり消費者のことをやや誤解されていると思うのですが、消費者が圧倒的に信用するのは農産物が安全かどうかを判断する指針となる「科学的根拠」です。
最終的に収穫した農作物の汚染度がわかる正確な数値こそが唯一信頼できる情報であって、日本全土でセシウムなど検出されている今、その地に安全宣言が出ているかどうかとか農作物購入の際に正直あまり意識しないと思います。(もちろん、規制値超えの土壌の地域の農産物はお断りです。)
原発事故当時は福島だけでなく日本の農産物すべての輸入を禁止した国もあったはずです。
国の領土単位で信用を失っているのに、福島の土壌の除染だけでは意味が無いし、福島の土壌の除染が商品の購入に至るまでの信用につながるものではないと思います。
さらに消費者が圧倒的に農家を信用できなくなったできごとがあります。
汚染牛が発覚した時、意識の低い農家が与えてはいけないとされていた野外放置の麦ワラを実際は与えていたのに「与えていない」と虚偽の報告をして出荷をしていた事件です。
「セシウム検出の福島牛「飼料不足やむなく」 」:イザ!
数日前にも栃木だったかで同じような虚偽の申請をした農家が汚染牛を偽装したまま出荷したニュースがあったと思います。(さらに今は汚染されたワラを食べていない牛にもセシウムが検出されるというどうしようもない事態にもなっていますけど・・・)
原発事故が起こったことは農家に責任がないことは消費者は分かっているので、土壌の除染をしていないから福島県の野菜が売れなくて信用がなくなったとは正直思えないんですね。
あわよくば出荷してやろうという卑しささえ感じられるこのような背徳行為こそが農家が信用を失った根本の原因として我々消費者に記憶されているのではないでしょうか。
では農家が失った信用を取り戻すにはどうしたらいいのか?
「ふくしま新発売。」は品目や収穫地、収穫時期をフォームに入力することによって、その農産物の放射線量の数値(Bq/kg)がその場でわかるという検索システムです。
スーパーなどで福島の食材を見つけたときに携帯やスマホで表示させればその場で検索でき、買うべきかどうか消費者の意思で判断できるのでとても便利だと思います。
正確な数値を出すことが農家の支援や風評被害防止になることを国は今一度学んだほうがいいです。
農林水産省の「食べて応援しよう!」というページ(標語)があるのですが、このサイトを見ても紹介されている食品が安全なのかどうか全くわからなくて心底怖いです。
農家を支援したい気持ちはもちろんあるので、「ふくしま新発売。」のように放射線量の数値まで示してくれれば、消費者は自分で安全だと判断した食品なら喜んで買うんですよ。
まぁ公開されている数値が信頼できるものかはちゃんと調べてみる必要がありますけど、これこそが信用なのだと思います。
さらにネットを使い広く一般に農産物の放射線量を公開することによって、農家にも新しい意識が芽生えると思います。
汚染された飼料を使って不正などしても、誰もが観閲できる数値ですぐにバレるので虚偽申告も減るでしょう。
農家の意識が変わり数値の透明性が増す点が一番の利点だと思っています。
長々と書いてきましたが、福島の農家の信用について自分の思っている結論を述べます。
・福島の土壌の除染を行うだけでは農家の信用を回復する効果はない。消費者が最も気にするのは収穫された農作物の放射線量。除染が形だけのものになったらむしろ胡散臭さやマイナス効果も生む。
・「ふくしま新発売。」は消費者に福島農産物の正確な放射線量の数値をオープンに提供し、出荷の際未然に農家の不正を防ぐ効果がある。このサイトが消費者に利用されることによってこそ農家の信用は回復する。
というわけで、農家の婿さんはほんとにこのサイトを見て検索機能まで使った上で書いてるのか?と思えるような書きようで批判していたので、まだ公開されたばかりですが「ふくしま新発売。」の何が良いのかを補足として書いておきました。
もしかして農産物のPR目的のサイトとしか認識してなくて、モニタリング情報検索機能は使っていないのかもしれません。
暫定基準値とか補償の問題とかは国に文句を言うべき事案で、このサイトには関係ないだろ、とも言っておきます。
最後に「ふくしま新発売。」のサイトのリンクを貼っておこうと思います。

ふくしま新発売。
先ほども書きましたが、スマホなどのブックマークにこのサイトを追加しておくと便利ですよ!
個人的には「これすげえなあ、よくやった!」と思っていたのですが、この新しいプロジェクトを話題性のある廃業された農家さんが早速感情的に潰しにかかってるのが残念です。
ふくしま新発売。笑わせるな|農家の婿のブログ
簡潔に要約すると、福島県の農家の「信用」について書かれています。
農産物を作って売る前にまずは土壌の除染をしろと。順番が逆だろ。安全宣言が出された区域の作物だけ出荷して初めて信頼が得られるだろうと、まあそんな内容です。
信用を得るためのこの除染作業は、国や東電が福島の農産物を全件買取しない限り現実的にはまあ無理です。ほとんどの農家は婿さんのように廃業するしかないでしょう。
そして完全に除染するのにいくらかかるのかも何年かかるのかも全く見えない点も現実的ではありません。実際にやるとなればそれこそ形だけのものとなる危険があります。
この方はかつて農家だったこともあり消費者のことをやや誤解されていると思うのですが、消費者が圧倒的に信用するのは農産物が安全かどうかを判断する指針となる「科学的根拠」です。
最終的に収穫した農作物の汚染度がわかる正確な数値こそが唯一信頼できる情報であって、日本全土でセシウムなど検出されている今、その地に安全宣言が出ているかどうかとか農作物購入の際に正直あまり意識しないと思います。(もちろん、規制値超えの土壌の地域の農産物はお断りです。)
原発事故当時は福島だけでなく日本の農産物すべての輸入を禁止した国もあったはずです。
国の領土単位で信用を失っているのに、福島の土壌の除染だけでは意味が無いし、福島の土壌の除染が商品の購入に至るまでの信用につながるものではないと思います。
さらに消費者が圧倒的に農家を信用できなくなったできごとがあります。
汚染牛が発覚した時、意識の低い農家が与えてはいけないとされていた野外放置の麦ワラを実際は与えていたのに「与えていない」と虚偽の報告をして出荷をしていた事件です。
国は3月19日、屋外保管していた飼料を家畜に与えないよう通達。しかし、農家では稲わらは昨秋の収穫後から水田に保管、牧草は原発事故後に刈り取り牛に与えていた。県には「事故前に収穫した餌を与えた」と申告、外での保管も伝えていなかった。県の聴取に「震災後に配合飼料が不足し、やむなく与えた」と虚偽申告を認めた。
「セシウム検出の福島牛「飼料不足やむなく」 」:イザ!
数日前にも栃木だったかで同じような虚偽の申請をした農家が汚染牛を偽装したまま出荷したニュースがあったと思います。(さらに今は汚染されたワラを食べていない牛にもセシウムが検出されるというどうしようもない事態にもなっていますけど・・・)
原発事故が起こったことは農家に責任がないことは消費者は分かっているので、土壌の除染をしていないから福島県の野菜が売れなくて信用がなくなったとは正直思えないんですね。
あわよくば出荷してやろうという卑しささえ感じられるこのような背徳行為こそが農家が信用を失った根本の原因として我々消費者に記憶されているのではないでしょうか。
では農家が失った信用を取り戻すにはどうしたらいいのか?
「ふくしま新発売。」は品目や収穫地、収穫時期をフォームに入力することによって、その農産物の放射線量の数値(Bq/kg)がその場でわかるという検索システムです。
スーパーなどで福島の食材を見つけたときに携帯やスマホで表示させればその場で検索でき、買うべきかどうか消費者の意思で判断できるのでとても便利だと思います。
正確な数値を出すことが農家の支援や風評被害防止になることを国は今一度学んだほうがいいです。
農林水産省の「食べて応援しよう!」というページ(標語)があるのですが、このサイトを見ても紹介されている食品が安全なのかどうか全くわからなくて心底怖いです。
農家を支援したい気持ちはもちろんあるので、「ふくしま新発売。」のように放射線量の数値まで示してくれれば、消費者は自分で安全だと判断した食品なら喜んで買うんですよ。
まぁ公開されている数値が信頼できるものかはちゃんと調べてみる必要がありますけど、これこそが信用なのだと思います。
さらにネットを使い広く一般に農産物の放射線量を公開することによって、農家にも新しい意識が芽生えると思います。
汚染された飼料を使って不正などしても、誰もが観閲できる数値ですぐにバレるので虚偽申告も減るでしょう。
農家の意識が変わり数値の透明性が増す点が一番の利点だと思っています。
長々と書いてきましたが、福島の農家の信用について自分の思っている結論を述べます。
・福島の土壌の除染を行うだけでは農家の信用を回復する効果はない。消費者が最も気にするのは収穫された農作物の放射線量。除染が形だけのものになったらむしろ胡散臭さやマイナス効果も生む。
・「ふくしま新発売。」は消費者に福島農産物の正確な放射線量の数値をオープンに提供し、出荷の際未然に農家の不正を防ぐ効果がある。このサイトが消費者に利用されることによってこそ農家の信用は回復する。
というわけで、農家の婿さんはほんとにこのサイトを見て検索機能まで使った上で書いてるのか?と思えるような書きようで批判していたので、まだ公開されたばかりですが「ふくしま新発売。」の何が良いのかを補足として書いておきました。
もしかして農産物のPR目的のサイトとしか認識してなくて、モニタリング情報検索機能は使っていないのかもしれません。
暫定基準値とか補償の問題とかは国に文句を言うべき事案で、このサイトには関係ないだろ、とも言っておきます。
最後に「ふくしま新発売。」のサイトのリンクを貼っておこうと思います。

ふくしま新発売。
先ほども書きましたが、スマホなどのブックマークにこのサイトを追加しておくと便利ですよ!