「入棺体験」と聞くと、「縁起でもない」とか「なんだか怖い」とか、「死」に対する恐怖感もあいまって、なかなか「体験してみよう!」とはならないかも知れません。かくいう私も、好奇心で申し込んでから、やっぱりちょっと怖いかも!?!?と揺れる女心でした(笑)。
BLUE OCEAN CAFEの「自分を見つめる入棺体験~棺の中で耳をすませば」は、グリーフケア(※)を学んだ方々が主催しているので、いきなり棺の中に入っただけで終わりというわけではありません。ほかの参加者といくつかのテーマに関して対話をして、その中で出た話や感じたことをメモして、全体で分かち合いをします。そのあとは、自分自身について振り返る時間を取り…。最後に入棺体験です。(内容を詳しく書いてしまうと、後から受講する方の感激が薄くなってしまうので、このぐらいで…)。
※グリーフケア…大切な人を亡くしたりして心が揺れ動いている人に、寄り添ったり援助したりすること。
参加者は、年配の人ばかりなのかしらと思っていましたが、意外や意外、若い世代の女性も何人かいました。
入棺体験で驚いたのは、棺の中というのは、本当に真っ暗だということ。漆黒の闇を体験して、思ったより怖くないなと。私は40代なので、飛躍的な医学の進歩でもない限り、あと40年もすれば、この中に入るんだな、人生なんて短いな、なんていう感想を持ちました。お坊さんが棺に向かって読経をしてくれるので、臨場感もあります。
以前、お坊さんから、「人は死んでも鼓膜だけは音を受けて聞こえているので、亡くなった人にいっぱい話しかけてあげてください」という話を聞き、感動したことがあったのですが、確かに棺の外の音がけっこう聞こえていたので、ああ、こういうものなんだと実感しました。
入棺体験をする前は、自分が死んだ後のこと、大切にしているものを誰に引き継いでほしいかとか、夫が一人で残されたら心身の健康は大丈夫なのかとか、さまざまに考える折が多かったです。また、自分がもし独居老人になって死んだときに、誰が気づいてくれるのかとか、お葬式はあげてもらえるのかとか、心配している部分もかなりありました。
でも、入棺体験をしてみて、死は誰にでも平等に訪れるものなのだし、そんなに死んだ時のことについてあれこれ考えなくとも、死んじゃったら生きている人たちにおまかせするしかないのだから、考えるだけ無駄だったなと思いました。
今を一生懸命生きるしかないんですね。
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