指導教育などの現場において
よく「事実」を前提に、といいます。
もちろん、これは正論です。
一方で見落としがちなのが「現実」です。
どう違うのでしょうか?
「事実」は誰の目にも客観的に判断が
できるもの。
「現実」は事実に到達するまでの経緯
や背景を含めたもの。
と私は考えています。
例えば営業部門を例にすると比較的
わかりやすいです。
営業一部から三部までは月次予算を
100%達成し、四部だけが98%の未達
に終わったとします。
一部から三部は当然達成によろこび
部会でも和やかになります。
ところが四部の部会を除くと、皆が
笑顔で賑やかにやってる、
営業本部長は「なぜ未達のやつらが
ヘラヘラしてるんだ!」となる。
そうすると四部のメンバーからは笑顔
が消えて、一気にどんよりした空気に。
翌日、四部の部長が本部長に呼び出され
再度説教を受ける。
ところが、部長から思わぬ経緯を聞き
本部長は反省するのです。
実は、四部は月末を控え予算に程遠い
状況だったのが、ここ数か月低迷して
いたメンバーAの追い込み営業が功を
奏してあと一歩で達成というところに
行けたことで部長はメンバーを労い、
部の同僚もAの努力と結果に喜んだ
ということだったのです。
部会の一場面の「事実」だけで本部長は
結果的にメンバーの意欲をそぐ行為を
してしまったわけです。
結果がすべて、ということも重々承知
していますが、メンバーを鼓舞する意味
においては、「事実」を構成してきた
経緯ともいえる「現実」に耳を傾ける
ということもマネジメントには大事だ
という話です。