ゆとり世代が社会に出てくるようになって、彼らを蔑んだり、
馬鹿にしたりするような物言いが(特にネット上では)目に
付きますが、その内容については異議があります。
例えば、ゆとり世代は学力が低いという点については、
そもそも「ゆとり教育」になって、いきなり学校で学ぶ分量や
時間が減ったわけではなく、恐らく30年位前からは既に
教科書の分量は徐々に減ってきていて、だから現在40歳代
の人達も含めて、徐々に学力は低下してきていたんじゃ
ないかという見方もできます。
少なくとも、自分たちはマトモなのに、突然これまで見たこと
がないような学力の低い世代が誕生したように言うのは
当たっていないでしょう。
常識や振る舞いがなっていないという指摘もありますが、
そんなことは昔から学校のカリキュラムにはなかったわけで、
ゆとり教育が原因でないことは明らかでしょう。
常識というものは、親や大人や先輩を見て、マネをしながら
学ぶような類のものであって、彼らが「あいさつもできん」
「言葉遣いがなってない」「マナーを知らない」のであれば、
親や大人や先輩がそうだからではないのかと思います。
「あいさつもできん」
「言葉遣いがなってない」
「マナーを知らない」上司、大人を会社でも街でも見かけ
ますが、それをマネしているだけではないか。少なくとも、
自分たちはマトモなのに、突然これまで見たことがない
ような常識のない世代が誕生したように言うのは勝手な話。
だいたい、ゆとり世代をバッシングして、何かいいことが
あるのでしょうか。
つまらんネタを書き続けて政権をバッシングし、支持率を
落として総理を替えて喜んでいるメディアと一緒で、全く
メリットのない、生産性のないことをやっているようにしか
見えません。
世代間の争いはやめて、共生するにはどうしたらいいか。
彼らがちゃんと就職して、仕事の力をつけてこれからを背負
えるようになるためには、どうしたらいいかを考えることが
大切なんではないかと思うわけです。
夕方の早い時間から居酒屋に繰り出して、退職金がいくら
になるかとか、今度の賞与がどうなるかとかいう算数と、
社内政治と自分の身の処し方、部下や他部署の批判など
をのん気に語っている人達を見ると、なんとゆとりのある
会話だろうと感じます。
「ゆとり世代」という呼称は、実はこちらの世代に相応しい。
「こっちは昔苦労して、今の立場や処遇を手に入れたんだ」
とおっしゃるでしょうが、20年も成長が止まっている大変な
時代には上の人間が身体を張り、骨身を削るのが当然と
考えますし、今の若者世代を作った責任だって全員に少し
ずつはあるはずです。