考課期間が終了して評価をする際、上司が評価する前に
自分で自分を評価する仕組みを導入している企業が多く
なりました。
もともとの狙いは、本人の考えを汲み取って納得性を高める、
評価するための情報を洩れなく集めて評価の正確性を期す
といったことにありますが、その他にもメリットがあります。
自己評価とは、自分を客観視すること。
誰しも、自分は頑張った、働きぶりが認められている、運や
環境が悪かった、成長できた、などと感覚的に思い込んで
しまいがちですが、評価基準や設定した目標に基づいて自分
を評価する機会を得ることにより、視点を変えて冷静に自分を
見つめなおすことができます。
また自己評価は、評価や目標への当事者意識を高めます。
上司からの評価を待っているだけの姿勢では、結果の点数や
ランクを受け入れるしかないという感覚になり、だんだんと評価
や目標への関心が低下していきます。
自分の成果や実力や働きぶりについて自分で振り返って評価
を行う=評価に参加させることは、評価を正に自分の問題として
考えるきっかけとなります。
もちろん、気をつけないといけないこともあって、自己評価を軽視
するような運用、例えば調整に調整を重ねた末に、自己評価と
大きく食い違うような結果になってしまうようなことが続くと、
かえって反発を招き、せっかくの仕組みが形骸化してしまいます。
点数だけつけさせて、その中身を汲み取らないようなことをやって
いても、また同じようになりがちです。
この手の類の「制度」というのは、PRだけではなく実際の運用と
検証、改善が永遠に続くということですね。