「組織はどうでもいい物事に対して、不釣り合いなほど重点を置く。」
というのがパーキンソンの凡俗法則。
難しいこと、重大なことに対してはこだわらず、流したり簡単に受け入れ
たりするのに、どうでもよいようなことに対しては関わろう、時間やパワー
をかけようとする人が多い、という傾向を言っています。
根本的・本質的な問題認識、何をやるか、どうやってやるかという戦略や
方針、多くに影響を与えるような決断などは、権限のある人や管轄部署
にお任せする、何だか難しそうに見えることは専門家や担当者にお任せ
する。一方で、どちらでも良いようなこと、分かりやすいことに対しては
急に活き活きして口を出す人が増えるという景色を見たことのある人は
多いと思います。
大事はスッと決まって、些事は議論百出という組織です。
どっちでも良い(「どうでもよい」ではありません)ことは、どっちでも良い
から余計に結論が得にくい。
どっちでも良いなら一任すればいいのに、皆が口出しするもんだから、
その議論を調整・収束させるのに時間がかかります。
これが「忙しい」の正体なのではないかと思います。
関わる人が多いほど良い仕事と、関わる人が多いほど面倒になる仕事が
あって、後者を全員でやっているから忙しい。
大事は偉い人にお任せで、些事だけに関わってメンバーを振り回す上司
というのは困りモノ。
実務者にとってみれば、こういう類の忙しさは、自由や裁量がなくなって
調整ばかりに時間をとられる訳ですから、やる気も削がれます。
大事に対して皆で関わり、些事は任せる(もちろん後でちゃんとチェック・
フィードバックする)。不毛な忙しさから脱出するためには、重点を置き、
時間をかけている仕事にそれなりの価値があるのかを「考えてみる」のも
一つです。