「仕事における失敗の90%は、知識や経験が足りないからではなく、
そこに人間関係が築けないことが原因である。」
のだそうです。
人間関係が築けていれば、アドバイスやチェックがもらえたり、指導や
支援があったり、情報共有や意見交換があったりするので、その分、
一人で実行するよりも失敗の可能性が低くなる。
もしくは、温かく力強い仲間の存在が仕事への取り組み姿勢や意欲を
良い方向に変えていくから失敗が少なくなる、ということでしょうか。
人間関係が仕事の出来不出来に関係しているとすれば、「個」に
フォーカスしてきたここ10年くらいの人事システムを改めて見つめ
なおす必要があります。
例えば、成果によって大きく処遇に差をつけようとしたことが、人間関係
に悪影響を及ぼしたのではないか。今時の話題で言うなら、非正規雇用
の広がりが職場の人間関係をギスギスしたものにしなかったか。
ほかにも世代間、男女間の処遇における微妙な対立が人間関係を希薄
なものにし、結果として、仕事のミスや不出来や非効率を生んだという
ことがあるかも・・・しれません。
ここで言う人間関係とは、単に和気あいあいの仲良し状態を良しとする
ものではありません。
軋轢や遠慮もあって、スタイルや価値観の違いもあって、だから必然に
起こる対立や競いを乗り越えてできる強固な組織力といった意味合いで
捉えるべきだと思います。
そうすると・・・
「仕事における失敗の90%は、その組織力の弱さが原因である。」
「仕事の失敗の90%は、組織力を強化できないリーダーに原因がある。」
と言い換えることができます。
ここには、経営や人事部門が今取り組むべき課題が示唆されているように
思えます。