「一を聞いて十を知る」という孔子の有名な諺があります。
これは、「物事の一端を聞いただけで、その全体を理解する
ほど聡明であること(大辞林)」の意味ですが、自分も含め、
この境地にチームメンバー全員が到達することを現在の目標
にしています。
「一を聞いて十を知る」コミュニケーションが出来れば、「決断
が速い」「相乗効果が生まれる」「新発想が飛び出す」、そして
「会議が短い」といい事尽くめ。
まさに“息が合う”仕事が出来る状態を目指しています。
でもどうしたら、このようなチームになれるのでしょうか。
頭の回転を速くするために、脳内トレーニングが必要なのでしょうか。
私は個人の自己啓発よりも先ず、リーダーが心掛けることが、
二点あると考えます。
第一は「目的と目標」を明確にすることです。
当たり前の事ではありますが、チームが「何のために存在し」、「何を
目指すのか」の意思統一が図れていなければ、お互いに先を読む
ことが出来ません。
GOALが見えているからこそ、阿吽(あうん)の呼吸が生まれます。
第二は、「説明力」を磨くこと。「一を聞いて十を知る」という言葉に、
「リーダーの説明力不足をメンバーが補ってくれる」との解釈はありません。
「一」を説明すれば、「十」が見えるように、相手の理解を意識して
丁寧に伝えること。そして真意が100%通じているか、確認し続けること。
この繰り返しが、お互いのコミュニケーションレベルを高め、「一を聞いて
十を知る」チームに成長していくと考えます。
何れにせよ、核となるリーダーの存在がチーム運営の鍵になっていることに
変わりがありません。
メンバーの理解力、洞察力を磨くためにも、リーダーの思慮深い言動が、
常に求められているのではないでしょうか。