昨日、古い友人から電話がありました。
「●●が昨日殺人未遂で逮捕されたって・・・」
一瞬、冗談かと思いつつも絶句でした。
この逮捕された友人Aは、この春に奥さんを自殺で
亡くしていました。
A自身、とても悲惨な経験をしていました。
奥さんは5年前にひき逃げで、脳にダメージを受け
介護なしでは生活できない身体になりました。
Aは仕事から帰るや否や、休む暇もなくヘルパーに
代わり奥さんの介護をする日々でした。
その奥さんが春先、「将来を絶望し、これ以上旦那
に迷惑をかけられない」と遺書を残し自殺されました。
Aは子供を諦めながらも、今後の人生について前向き
に考え、愛する妻を一生守ろうと誓っていました。
その矢先の自殺でした。
Aは抜け殻のようになり、ウツ状態になりました。
でも、最近は少しずつ外出もできるようになり、散歩
にも毎日でれるようになった、とつい先月聞いたばかり
でした。
ひき逃げで服役をしていた人が、満期を前に仮出所
をした、という情報をどうやってかAはキャッチしたようです。
そして、愛する妻の身体を滅茶苦茶にし、挙句の果て
命まで奪っていった犯人が許せなかったのでしょう。
痛いほどその気持ちはわかります。
Aは「復讐」だけを糧に犯人殺害を実行しました。
しかし、致命傷にはならず重傷を負ったことで「未遂」
となったようです。
連絡をくれた友人は、署名活動を含めAを救う活動を
はじめました。
法律は復讐を許していません。
そんなことは知っています。
しかし、同じ境遇であれば私も多分同じことをしたかも
しれません。
子供がいることで行動は変わったかもしれませんが、
犯人への復讐の念は相当抱いたはずです。
仮出所をしてきた元犯人は、もしかしたら今後「償い」
のためにAに何かを考えていたかもしれません。
でも、そんな「償い」を受け入れるほど安定した心身の
状態ではないのが「被害者家族」でしょう。
とても複雑でありながら、単純な思考・行動の事例です。
犯罪が新たな犯罪人を生む
この連鎖はとまらないかもしれません。