「可視化経営」
という言葉がある。
経営者はオーナーを筆頭に、基本現場に出たがる。
一方で大企業のサラリーマン社長は現場にはあまり出ない。
「下」からのレポ等で情報を把握しようとする。
これは決して悪くはない。この情報が正しく上がっていれば。
経営理念や戦略を経営者が社員に浸透させようとしても、
基本的に社員の6%しか理解できていない、というデータがある。
「理解」できている、というのは行動に移して「変革」ができている
ことを示している。
ソフトバンクのシステム障害による新規登録停止が問題に
なっている。
孫社長は確かにカリスマ性があり、同社の経営手腕は評価されて
いるだろう。
しかし、契約者同志のショートメールのみが「無料」と銘打った
広告に誤解を生じさせ、消費者からクレームが続出した。
それを受け、孫社長はツルの一声で「Eメール」も無料にすると
発表したのだ。
この突然の変更をシステム部門が吸収できずにパンクしたことも
要因のようだ。
このケースと「可視化」を比較できるかは微妙だが、経営者が
現場を熟知していないのか、意思の疎通が図れていないのか
結果的に莫大なコストをかけてPRした戦線が躓いたことに。
この損害はかけたコスト同様に莫大なものだろう。
企業の大小を問わず、トップダウンにはいろんな危険性がある。
こういう場合「番頭」的存在のNo.2が社長をサポートするのだが、
この「番頭」が育たない企業がすごく多いのも事実だ。
景気浮上も消費者には目に見えていない。体感できていない。
ここが今回の好景気の中、自己破産、倒産が決して減らない
背景かもしれない。