「社員のクレジット情報を管理せよ」
とある企業における監査部門での一言。
景気回復が進む中、あいも変わらず企業における
不祥事はあとを絶たない。
しかも、管理職による横領、着服事案も増加傾向
にある。いずれの背景も多額の借金を穴埋めする
ためのものか、遊興費につぎ込んでいる。
しかし、企業なり雇い主が従業員の個人クレジット
ラインを調査するのは違法なのだ。
90年台前半には採用時にこのようなクレジット調査
をしている保険会社があった。しかしこれも隠密に
行っているものだった。
この会社は不動産や証券を扱う企業。
近年社員は増加の一途。業容拡大による前向きの
採用なのでこれ自体は悪くない。
しかし一方で雑多な人間が社に紛れ込む危険性も
増加しているのも事実。
採用時の経歴書や職務内容なこういう意味では糞
の役にも立たない。信用情報で借り入れ調査をする
ことで最初から「予備軍」ははじく、というものだ。
考えとしてはありだろう。
しかし監査会議でこのような発言はまずい。
経営陣もこの種の法律にはあまり詳しくないようで
追随するような意見があった。
この発言はすべて議事録に残る。後々違法行為を
追求されたときに決定的な証拠になる。
この部分での経営自体の危機管理を優先させた方
がいいような気もする・・・。
新卒採用が活況になる反面、中途採用はそう比例
しているわけではない。理論的には当たり前かも
知れないが、実は背景にこのようなリスク管理の台頭
で顧問弁護士を中心にした内部倫理規定を見直す
企業が増えているから。
そういう意味ではこのような情報収集も必要なのかも。
皆さんの企業でのリスクヘッジ対策は万全だろうか?