「最近、自分のしたいことがわからず
会社の方向性にも不安を感じるんです。」
こんなことを相談したきた社員がいた。
<自分のしたいことがわからない>
この相談をしてきたのは入社2年目の社員。男性。
23歳で自分のしたいことがわからないのはおかしい。
と思う人もいるだろう。
しかし、私はそうは思わない。
別にわからなくてもおかしくない。むしろ当然かも。
社会人として2年目でもある彼が将来の方向性を明確
に描くのはむずかしいだろう。
仕事の領域も限られた中で自分の可能性を模索する
こと自体無理がある。
もちろん学生ではないので給与の対価としての責任は
明確にしなくてはいけない。
長い人生、これから体験することでいろんな視野が
広がるはず。
それからでもいいのでは、と回答した。
<会社の方向性に不安を感じる>
この言葉には?だった。
会社の方向性に不安を感じるのは会社員として受動的
に仕事を請け負っている証拠。
自ら立案し、検証し提案する努力すらしていない。
まして、経営者として出資をして経済的なリスクを背負って
いない一般社員。
不安を感じること自体、悪いことではない。
であれば、その不安を「解消」するための対案がなくては
ただのぼやきになる。
つたない知識と経験でも提案できることはある。
そんな努力をしてほしいと回答した。
最近に限ったことではないが、どうも人数が多くなるにつれ
組織におけるコミュニケーションにかげりがある。
ネットを活用した手法にも限界がある。
文字面だけでは感情は半分も伝わらない。
顔を見て、声を聞き(トーンを感じる)ジェスチュアで理解する。
こんな一般的なものでも組織の「末端」といわれる社員には
なくなっている。
経営者が悪いとかそういうことではない。
コミュニケーション不足を感じる人間が自ら聞きにいくことも
ないように思う。
上司に遠慮するのか、役員があまりにも遠い存在なのか。
会社によっていろいろ風土はあるであろう。
当社がどうかはわからない。
なんでもそうだが「興味」をなくしたらおしまい。
成長はない。
そうなる前に食い下がるほどの貪欲なモチベーションを持ってほしい。