今から10年近く前、仕事の関係でその当時の事業担当者を集めたセミナーがあった。
そのセミナーは、これから事業を興すにあたり事業戦略はもちろんのこと、資金計画
や人員計画など細にわたり多種多様な内容のものだった。
その中で、当時の社長が事業計画や資金計画はビジネスの上で最も大切だが、それ以前
にその事業に取り組む人たちの心構えや、想いが土台となる。という話をしていた。
そのときに1冊の書籍を紹介され、名言ではないが心に残る言葉があった。
「休養」とは疲労困憊したときにとるものではなく、疲労困憊を予防するためにとるものである。
「結婚」とは愛の形ではなく、愛情と現実と夢の共有によるものである。
「転職」とは会社を理由に実行するのではなく、自分を理由に実行するものである。
「定年」とは雇用期限により訪れるものでなく、満足感と納得感により訪れるものである。
「親友」とは常にそばに居るものではなく、お互い必要なときに寄り添うものである。
こういう言葉はそのときのその人の心模様によって受け取り方が全く違う。
でも、最近の気持ちの揺れ動きの中では仕事に限らずすべての言葉にいろんな想い
を馳せるような気がする。
昨夜、来週末に結婚する友人から電話があった。
いい年して、しかも男のマリッジブルーのような内容だった。一応、人生においては先
に結婚して、子供も持っている私の意見(助言)が欲しかったようで、彼は初婚で子供
も欲しいと思っている、しかし奥さんになる人は再婚で4歳年上。これから子作りしても
高齢出産で妊娠中毒症やさまざまな合併症が危惧される、そんなことは最初から了解
していることで、そのこともあって両親の大反対を受けていたわけだし。
ご両親にしてみれば初孫を腕に抱きたいだろうし、抱かせてあげるのも親孝行の1つ。
生涯子供を持たないのも人生だが、これまで自分ひとりで生きてきたわけではない、
という事実の上にたって彼は両親に子供を抱かせてあげたいらしい。
「今更そんな心配してもしょうがない、これまで奥さんもそのことはお前に相談したはず、
その上で籍を入れる決断をしたのだから。今の医療では42歳での初産も珍しくない。
母子共に元気に出産することを信じるしかない。その不安を覆うくらいの奥さんへの
愛情と覚悟がないなら、まだ間に合う。結婚を解消したほうがいい。」
一見、無責任な発言だけど今後のお互いの長い人生を考えるならば、子供の有無は大きな
障壁になる、姑との関係にも大きな影を落とす。
彼は電話では、解消する様子はなかった。ただ不安なことを話したかったのだろう。
そんな私も決して人様に偉そうに言えるようなものではないけど・・・^^;