週頭より続いていた某マザーズ上場企業の研修風景より。
ベンチャーと言われる企業にはよくあることですが、
成長と整備と教育が追いつかない。
業績面での追い上げは社員のモチベーションや目標により
比較的早期に実現していくものですが、社内環境を含めた
整備は非常に時間がかかります。
整備というのは成長と同時進行で進捗するものであり、常に
変化しつづけるものです。
整備不良をネタに不満を漏らす社員をよく見かけますが、
この人たちに、
「ではどのようにすべきか?代案は?」
と聞くと大半の人が明確な答えを持っていない。
ベンチャーに限らないことですが、営業などの部門で見られる
「売れない理由つくり」
「阻害要因発掘」
これらは、売れない、目標達成できない、といった場面で多く
の人が走る行動パターン。
売るための施策を模索するのではなく、出来ない理由を挙げる。
要はこの方が楽だし簡単だからです。
この上場企業は昨今のマスコミや新聞で取り上げられる注目
企業ですが、創業からはまだ10年。
まだという表現はこの時代適切ではないかもしれないけど、
整備と成長の追いつかない時期であることは間違いない。
この企業の中途社員で34歳の関西出身の男性に会いました。
人当たりもよく、コミュニケーションもうまくとれる方。
20名ちかい中途入社同期組の中でもリーダー的存在でした。
しかし、研修③日目彼は来なくなりました。
退職したのです。
早っ!
という感じです。
彼は関学を出て丸紅に新卒で就職、その後仲間と企業したが
うまくいかず同社に転職してきた。
同社は外食産業向けの支援事業を行っており、事業構造として
夜が遅くなる。
そんなことは入社前から分かっていたこと。
しかし彼は自分ならこうする、という信念と丸紅での栄光が頭を
離れなかったのです。会話の端々でその気持ちは手に取るように
分かります。
ある日課長職の研修担当が、
「営業におけるロープレ試験をするので今夜は泊り込みの覚悟で
準備してくださいね」
と言いました。
普通はまあ自分の中で適当に咀嚼して流すのですが、彼の場合
過剰に反応し、
「おかしい! こんなのでは生活に支障がでる」と。
彼も上記のように代案や施策を講じるのではなく、目の前にある
現実にだけ縛られ動揺してしまうタイプだったのです。
ちょっと考えれば社会常識として研修早々に新人を徹夜させる事
はない、と分かるはず。
でも彼は自分よ年齢が若く、経歴も劣る課長の言葉を素直に聞く
姿勢がハナからなかったのです。
でもこういう人は世の中に沢山います。
私も社会にでて14年目を迎え「固定概念」や「おごり」があると自覚
するときが多々あります。
机上の研修だけでなく、人との対話の中で自浄研修はできるもの。
皆さんも今一度振りかえってはいかがでしょう??