自国の国旗を傷つける行為を罰する「国旗損壊罪」というのが、それである。
◆国旗を汚し続けてきた愛国者たち
何でも現・首相は、「外国国旗を汚したり、破ったりしたら、拘禁刑を受けるかもしれない。でも、日本国旗はどう扱ってもいい。それはおかしい」と言って、「国旗損壊罪」制定に強い意欲を燃やしているのだそうな。
現在の日本の法律では、刑法92条で、侮辱する目的で外国国旗を損壊した場合、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を科すと定めているが、日本国旗に関する規定はない。
この政策に対しては、反対意見も出ている。
政府批判や芸術表現を目的に、あえて国旗を損壊した場合でも「侮辱目的」と見なされる可能性があるため、その場合、憲法19条の「思想・良心の自由」、同21条の「表現の自由」が侵害されてしまうからだ。
私は一応、「国旗損壊罪」には反対の立場だが、さりとて声高にそれを訴える気はない。
なぜなら、日本の国旗である「日の丸の旗」を、最も粗末に扱い、汚し続けてきたのは、実は、時の政権に批判的な左翼やリベラル勢力ではなく、この国を愛しているはずの自称愛国者たちだったからだ。
次の画像をご覧になっていただきたい。
【出征兵士への寄せ書きが記された国旗1】

(引用元:ブルース・C・クーパー(アップロード者)によるデジタル画像, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)
【出征兵士への寄せ書きが記された国旗2】

(引用元:空軍ISR機関, パブリックドメイン, via Wikimedia Commons)
↑第二次世界大戦時に、出征していく兵士を激励する目的で、国旗にこのような寄せ書きをすることが、盛んに行われていた。
私は小学生のときに、こうした国旗の写真を目にして、ひどく驚いたものだ。
――国旗にこんなにゴチャゴチャとものを書いたりしていいの !?
◆「国旗損壊罪」の虚しさ
常識的に考えて、上記の国旗への寄せ書きは、まさしく国旗を損壊する行為であるとみなすべきだろう。
なぜなら、国旗というものは、ポールにつないで掲揚するべきものである。
しかし、あんなにゴチャゴチャと文字を書き込んだ国旗を、みっともなくて掲揚などできるはずがないではないか。
ということは、寄せ書きされた国旗はもはや掲揚できない状態になっているのだから、損壊されたのと同じことである。
もっとも、国旗に寄せ書きするのは、何も右翼や軍人ばかりではない。
かの東日本大震災の際にも、被災地の人たちを励ますために、国旗への寄せ書きが行われている。
【東日本大震災後に作成された寄せ書き】

(引用元:Flickrユーザーjetalone(中野一), CC BY 2.0, via Wikimedia Commons)
どうも私たち日本人は、国旗に寄せ書きすることにあまり抵抗がないように思える。
◆ゴミ箱に捨てられる「日の丸」
前述したように、私は小学生のときにゴチャゴチャと寄せ書きされた国旗の写真を見て驚いたが、その驚きは、私だけではなかった。
海外の人たちも、やはり驚いていたのである。
――日本人は、どうして国旗を大事にしないのだろう?
多くの外国人がそのように思っているらしいことを、私は長じてから後に新聞だか雑誌だかで読んで知った。
私が読んだその記事には、海外の人たちを驚かせている、日本人が国旗をぞんざいに扱っている実例が紹介されていた。
先に挙げた寄せ書きの例もさることながら、私が「あっ、そう言われてみれば!」と思ったのは、次の例である。
例えば天皇陛下がどこかの施設を訪問したとする。
すると施設の職員や関係者が総出で手に手に紙製の日の丸の小旗を持って、お迎えする。
しかし、天皇陛下が帰ると、小旗を、もう用済みだとばかりにポイポイとゴミ箱に捨ててしまう。
同じことは、スポーツの国際試合でも起きている。
日本人選手が競技を行なっているときは、やはり観衆は紙の日の丸を手に持って振りながら応援する。
しかし、競技が終わると、これまたゴミ箱に捨てていく。ひどいときは路上にポイ捨てしていたりする。
世界中にはさまざまな民族がいるが、国旗をここまで粗末に扱っているは日本人だけだと、海外の人たちは言っているそうだ。
◆国旗に顔文字が書かれる日
私は、「国旗損壊罪」も結構だが、国旗に寄せ書きをする「因習」をこそ、厳重に禁止するべきだと思う。
先に挙げた東日本大震災の被災地への寄せ書きは、もちろん被災者を激励する善意からなされたものだろうが、国旗への寄せ書きが、必ずしも善意からなされるとは限らない。
日本への悪口が書かれる可能性だって、あり得なくはない。
そしてそれは、何も外国人とは限らない。
大日本帝国を偏愛する〝偏向愛国者〟が、現代の民主主義社会を憎んで、「民主主義国家・日本」への悪罵を国旗に書き込む可能性だって考えられるではないか。
また、ドナルド・トランプのような海外の独裁者が、日本への不満を、日本の国旗にわざわざ書き込むことも大いにあり得る。
そして、その様子を動画や画像にして、SNSなどに投稿したとしたら?
私は右翼ではないが、さすがにそこまでされたら、それは国辱だと感じる。
しかし、私のこの思いは、果たして我が国の首相に届くだろうか。
何せ、我が国の首相ときたら、よその国のゴールデンブック(国賓がサインをするノート)に顔文字など書き込む人である。
首相のその振る舞いには、ジャーナリストの西村カリンさんも呆れていた。
【高市早苗が書いた顔文字】

(西村カリンさんのXより引用)
https://x.com/karyn_nishi/status/2051352004740669856
ひょっとすると、物事をことごとく軽く考える我が国の首相は、国旗を大事にするどころか、「国旗損壊罪」が成立したあかつきには、自ら嬉々として国旗に顔文字など書き込むかもしれない。













