これは、現時点ではまだ存在していない機関なのだが、現首相である高市早苗が「スパイ防止法」の制定とともに設置を目指しており、早い話が〝日本版 CIA〟なのだ。
◆CIA(合衆国中央情報局)とは?
CIAをご存知ない方のために少し説明すると――。
これは、アメリカ合衆国の情報機関で、日本語では「合衆国中央情報局」、英語では「 Central Intelligence Agency 」といい、これを略して CIA という。
その本部はバージニア州ラングレーにあり、Wikipediaの記述によれば次の通りである。
(以下、引用)
アメリカ合衆国の安全保障政策の決定に必要な諜報活動を行う。諜報活動のために膨大な予算を与えられているが、その用途などの詳細情報は明らかにされていない。また局員は諜報員だけでなく、特殊作戦、不正規戦、秘密作戦、非合法作戦等に従事する特殊活動センター(SAC:Special Activities Center)という準軍事組織に所属するものもいる。
(引用、終わり)
単に国家のための情報収集のみでなく、非合法の工作活動も行っている、かなり胡散臭い組織である。
【CIA(合衆国中央情報局)の本部】

(引用元:キャロル・M・ハイスミス, Public domain, via Wikimedia Commons)
◆「スパイ防止法」の正体
そもそも、「国家情報局」設置とセットになっている「スパイ防止法」とは何なのか?
要約すれば、日本にとって重要な「秘密」(主に防衛秘密と外交秘密)が外国(特に政府が敵国とみなした国)にバラされるのを防ぐ法律である。
――なんだ! それなら必要な法律じゃん! 「スパイ防止法」制定に賛成!
と、若い人たちは純粋にそう思ってしまうだろう。
しかし、既に「特定秘密保護法」という法律がある。この法律で、重要な情報が海外に流出するのを防ぐことはできている。
もう少し詳しく説明するために、法学者の足立昌勝さんが月刊誌『紙の爆弾』2026年1月号で述べておられることを、次に引く。
(以下、引用)
ところで、現在の日本には「特定秘密保護法」が存在する。そこでは、防衛秘密・外交秘密・特定有害活動防止関連秘密・テロ防止関連秘密が保護の対象とされている。さらに、取り締まりの対象となる行為は、特定秘密の漏えいおよび不正取得であり、それらの未遂・共謀・教唆・煽動も処罰され、過失による漏洩も処罰される。
保護される秘密の範囲はスパイ防止法よりも広い。また、取り締まりの対象となる行為も、両法でそれほどの開きがあるものではない。
すなわち、この特定秘密保護法や重要経済安保法のもとで国家秘密の保護は十分に担保されており、新たなスパイ防止法は不要である。
(引用、ここまで)
なお、現状の法制度では外国人のスパイを取り締まることができないという主張があるが、それは誤解かデマである。
「特定秘密保護法」に規定されている行為を行なった者は、その国籍に関係なく処罰される。
では、なぜ、今さら必要のない「スパイ防止法」を高市早苗は制定しようとするのか?
その答えは、この法律が、国民を監視することを目的としているからである。
どういうことかというと、国民が外国人に国家秘密を渡していないか、監視するのがこの法律の主旨なのだ。
日本版CIAたる「国家情報局」の設置と、「スパイ防止法」の制定がセットになっているというのは、つまりはそういうことなのだ。
◆監視社会の恐怖
足立昌勝さんの記事によれば、衆議院第二議員会館前で市民グループが何らかの抗議活動をすると、反対側の歩道で十数名の公安警察がメモを取りながらグループの情報を収集している。
情報収集の名を借りた「監視」が、現在すでに行われているのである。
現在、「内閣情報調査室」という機関が存在している。
その活動内容は、内閣の重要政策に関する情報の収集および分析、その他の調査に関する事務、特定秘密の保護に関する事務を担当する、とそのホームページで説明されている。
ありていに言えば、情報収集という名のスパイ活動を行ない、得られた情報を分析して、次なる秘密保護の対策に役立てようというのである。
怖いのは、その情報収集の対象は何も外国人に限らず、私たち一般市民全体に及んでいる、ということだ。
高市早苗は、この「内閣情報調査室」を「国家情報局」に格上げしようというのである。当然、その役割をそのまま受け継いで、さらにその機能が強化されることだろう。
何のことは無い、「スパイ防止法」に基づいて活動する「国家情報局」とは、それ自体が私たち国民を監視する「スパイ組織」なのである!
まさに日本版CIAではないか。
さらに、「スパイ防止法」の成立に最も熱心だったのは、自民党に食い込んでいる統一教会である。
ところで私は、CIAというと、今は亡きSF作家の平井和正さんの代表作『ウルフガイ』シリーズを思い出す。
主人公の犬神明(いぬがみ・あきら)は、満月の日に不死身となる心優しき狼男である。
詳しいストーリーは忘れてしまったが、犬神明はさまざまな事件に巻き込まれ、いつしかCIAの非合法工作員との戦いに身を投じていく。
実際、CIAが暗殺などの非合法活動を行なっているというのは、決して小説の中だけの作り事ではなく、本当のことらしい。
【ウルフガイのイメージ】

(キャラクター素材:ガジュマルさん https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=23697384&area=1)
(背景:https://www.photo-ac.com/profile/2274091)
(青い月:月 pngから ja.pngtree.com)
私たちが生きているこの現実世界に、犬神明は存在しないが、せめてその不屈の精神を受け継いで、権力者の横暴に抗っていきたいと思っている。






