名古屋場所、また12勝3敗での優勝・・・ | jiro-sumo-iのブログ

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大相撲名古屋場所が閉幕しました。

今場所は、隆の勝が1人で盛り上げた場所だった、と言っても過言ではないでしょう。

負ければ13日目で照ノ富士の優勝が決まる可能性があった同日の霧島戦、同じく負ければ照ノ富士の優勝が決まっていた照ノ富士との直接対戦、そしてこれも負ければ照ノ富士の優勝が決まっていた千秋楽の大の里戦、いすれも角界屈指の実力者達に圧勝し、優勝決定戦にまで持ち込んで場所を盛り上げました。

敢闘賞の受賞は当然ですが、14日目の照ノ富士に勝ったことを評価して殊勲賞をあげなかったことには納得がいきません。

それくらい立派な活躍でした。

 

形の上では横綱の威厳を保った照ノ富士は立派だったとも言えるでしょうが、また今場所も12勝3敗という低レベルでの優勝となりました。

前回のこのブログ「大相撲の「歴史的な低レベル時代」克服への提言」の中で、12勝3敗の優勝がいかに低レベルであるか、そしてそれが頻発する去年、今年がいかに異常事態であるかを指摘しました。

今場所もまた、です。

大関陣総崩れの中、横綱照ノ富士の楽々優勝は間違いないと思っていましたが、結局は14日目、千秋楽と連敗して優勝決定戦にまで持ち込まれ、青色吐息の12勝での戴冠。

これで10回目、二桁の優勝回数となり、回数だけ見れば名横綱の仲間入りと言えるでしょう。

しかし、ケチをつけるわけではありませんが、他の10回以上の優勝を誇る横綱と比べて「強い」という印象を持てないのは、12勝での優勝が半分を占めているからでしょう。

以下が、年6場所制が定着した1958年以降に初優勝して、その後10回以上優勝した力士(いずれも横綱)の10回目優勝時点での成績です。

数字は、優勝した場所の平均勝ち星、カッコ内はその内12勝以下での優勝です。

 

48代横綱 大鵬13.2(1)

52代横綱 北の富士13.9(0)

54代横綱 輪島13.3(3)

55代横綱 北の湖13.7(1)

58代横綱 千代の富士13.5(2)

64代横綱 曙13.2(1)

65代横綱 貴乃花14.0(0)

67代横綱 武蔵丸12.8(4)

68代横綱 朝青龍13.8(0)

69代横綱 白鵬13.8(1)

73代横綱 照ノ富士12.8(5)

 

つまり、歴代で優勝10回を誇る横綱の中では勝ち星は武蔵丸と並んで最下位、12勝以下での優勝回数は最多です。

12勝での優勝というのは、当然回りが負けてくれないとできません。

相応の実力は認めるものの、ラッキーな優勝が多かったということです。

 

千秋楽のNHKのTV放送では、八角理事長の談話として、優勝した照ノ富士を「立派」と絶賛していたことが紹介されました。

しかし、横綱在位18場所中全休5場所を含む10場所の休場。

つまり、優勝か休場かを繰り返す成績は、横綱としてとても絶賛できるものではありません。

もちろん、これは照ノ富士と言うより、周りがだらしないことに尽きます。

特に大関。

先場所の霧島、今場所の貴景勝みたいに大関の地位すら保てない。

強引な相撲がたたり、肝心な所でケガをして13日目から休場した豊昇龍。

腰高のバタつき相撲で10勝がやっとの琴櫻。

今場所の成績次第では大関の声がかかった可能性があった、大器・大の里にしても、圧勝か完敗かの相撲内容で9勝止まりでは、今の時代では大関まではすぐに行くかもしれませんが、照ノ富士に引導を渡せるほどの活躍ができるようになるのは、まだ時間がかかるでしょう。

こうして、また来場所以降も、横綱の休場・優勝を交互に繰り返す場所が続くことでしょう。