令和2年7月分の貿易統計が財務省より発表されました。

 

 

 我が国の7月分の輸出総額が5兆3,689億円、輸入総額が5兆3,572億円であり、先月に比べ輸出総額が約5,000億円増、輸入総額が約2,200億円増となりました。

 

 対中国貿易(香港含む)も、輸出が1兆5,379億円、輸入が1兆4,631億円と概ね昨年並みに回復し、3・4・5月はマスクや防護服などの繊維製品の輸入が過多になっていましたが、先月から非鉄金属や半導体、自動車関連等の輸出が回復し、輸出が輸入を上回り昨年の輸出入額に概ね戻ってきています。

東南アジア全体としては先月比10%程度伸びてきていますが、コロナウイルス感染拡大が進んでいる、シンガポール・インドネシア・フィリピンなどは、引き続き厳しい状況です。

 

 また、対米国貿易においては、輸出が1兆913億円、輸入が5,788億円と昨年の80%近くまで回復してきていますが、自動車関連・機械関連の輸出がまだ戻っていないと思われます。

対EU貿易も同様、昨年の70%近くまで回復し、先月比10%ほど伸びてきています。

 

 貿易統計から見える世界経済としては、コロナウイルスの発生時期が違えども、3月から工場を稼働させ経済活動を再開した中国と、経済活動を自粛し工場を止めていた欧米諸国との経済回復のスピードは、大きく差が出ています。

我が国としても、コロナ禍において生活は自粛をお願いしておりましたが、経済活動は自粛することなく工場を一定程度稼働させ、経済活動を進めていることが、月を追うごとに貿易統計に表れてきていると思います。

 

 引き続き、我が国としても様々な統計情報を見ながら、新たな政策を考えて行かなければならないと思います。