【脳と自分 の巻】 | くろしんのブログ

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世田谷梅ヶ丘 くろしん接骨院 の ブログです。

以前『脳ちゃんとタマ子』と言う本を読みました。

 

本と言ってもマンガなのですが、その内容たるや脳科学の要素がふんだんに盛り込まれており中々学びになる内容でした。

 

物語は、人生に思い悩む“タマ子”が、ある時自分の脳である“脳ちゃん”に夢の中で出会うことから始まります。

 

脳ちゃんが、脳について解説しながらタマ子を成長させていくと言う物語です。今回はその中からご紹介いたします。

(※登場人物セリフはニュアンスです)

 

◇私たちは「脳」に操られている?

人生が思うように行かないと悩むタマ子に脳ちゃんは伝えます。

 

「タマ子は自分の人生を自分の意志で決めてきたと思うてるやろ。でも本当はそうやない。」

 

聞けば、脳ちゃんはタマ子より先にタマ子がやることを察知して、指令を出しタマ子に実行させていると言います。

それを聞いたタマ子はまるで脳ちゃんに操られているかのような印象を受けますが、脳ちゃんは否定します。

 

「これを創り出しているのはタマ子自身や」

 

◇元は過去の「入力」

タマ子はそれを聞いて首をかしげます。

いったい何のことやら?

 

脳ちゃんの説明によれば、脳が察知して反応させる根拠となるのは、過去にタマ子が脳に入力してきたデータだと言います。

 

その際に自分が「良い悪い」「美味しいまずい」など“意味づけ”をしてそれが「反応」の元になっているそうです。

 

そもそも前情報がないものに人は反応できません。

脳が事前に把握できていなければ反応しようがありません。

 

今自分が反応するものは全て、過去に見聞きや体験をしてそのデータを脳に入力してきたことなのです。

 

◇「反応」は自分を守るため

脳ちゃんは「反応はタマ子を守るためやで」と説きます。

 

脳ちゃんによれば脳の最大使命は“本人を生き延びさせること”。

 

「何をしたら怒られた」

 

「何をしたら褒められた」

 

などの情報は一人では生きられないタマ子にとって大事な情報で、タマ子が安心安全に生き延びていくためにはこれをしっかり記憶して、自動反応させる必要があると説明します。

 

脳ちゃんによると、人が笑ったり、怒ったり、泣いたり、喜んだりするのは、「その方が生きやすい」と脳にデータ入力してあるからだそうです。

 

特に“消し去りたい”くらいインパクトの強いことほど、「命に関わる最重要事項」として強力に記憶され、反応がつくられるそうです。

 

また、反応は“脳の省エネ化”に貢献していると言います。

 

脳には常に膨大な量の情報が送り込まれてきます。これらにいちいち対応して、いざと言う時働けないという事態を防ぐべく、反応によって脳に余力を残せるようにしているそうです。

 

◇人生の分かれ目「どう入力するか」

人によって反応は様々。

その分かれ目は入力の仕方です。

 

わかりやすく言えば、その出来事をポジティブとして入力するのかネガティブとして入力するのかによって、「反応」も当然違ってくるのです。

 

例えばタマ子が「タマ子はダメな子だから、幸せになれない」と誰かに言われたとします。

 

言われたタマ子は「私はダメな子」⇒「ダメな子は幸せになれない」⇒「私は幸せになれない子」とネガティブに解釈して脳に入力したとします。脳にとってはポジティブもネガティブも関係なく、入力されてきたものが全てですから、入力データに適合する反応を構築してしまうのです。

 

こうしたできた反応の積み重ねこそがその人の好き嫌いや性格をもつくり、人生に大きく影響していると脳ちゃんは説明します。

 

次号へつづく