前回に引き続き、今回も我が国の先人に学びたいと思います。
今回ご紹介するのは江戸中期の俳人「横井也有(やゆう)」です。 1702~1783年
也有は徳川尾張藩家臣の家柄で、要職を歴任しつつも多芸多趣味な人物として知られ、俳諧・俳文・武芸・平家琵琶・謡曲・書画・詩歌・狂歌など、あらゆる芸能に通じていたそうです。
1754年(宝暦4年)、53歳にして病を理由に隠居。その後は天寿を全うするまで、俳文、漢詩、和歌、狂歌、茶道などに親しむ風流人として暮らしたそうです。
そんな也有が残したとされる健康に関する提言があります、それが以下の『健康十訓』。
健康十訓
※「:」後の解説はくろしんの主観が入っております
一、少肉多菜:肉は少なく野菜を多く食べる
二、少塩多酢:塩は少なく酢を多く使う
三、少酒(少糖)多果:酒・砂糖は少なく、果物を多く食べる
四、少食多噛:少食で、よく噛んで食べる
五、少衣多浴:薄着で過ごし、風呂によく入る
六、少言多行:口先より行動・実行
七、少欲多施:利己より利他、人に与える
八、少憂多眠:悩みすぎずに、しっかり眠る
九、少車多歩:駕籠などあまり使わず、自ら歩く
十、少憤多笑:あまり怒らず、たくさん笑う
調べたところ、この十訓の順番は紹介する媒体によってばらつきがあってどの順番が正しいのかはわかりませんでしたが、内容自体に相違ありませんでした。
ご覧のように一~四は食事の事で、の五~十は生活上の注意点といったところでしょうか。
食事に関しては、以前「食育・食養の祖」や「まごわやさしい」で取り上げたような、本来の、その地域地域で育まれてきた食材、食習慣が良いのですよね。
結局それがその地域の人には合っているのです。
極めて長い年月をかけて、同じ空気、同じ水、同じ土壌を共にして育まれてきたわけですから。
これはたかだか何十年で変わるはずがありませんが、戦後の日本人の“食”は大きく崩れてしまったのですからあらゆる病の増加も頷けるところです。
生活面では、身体を動かし、前向きに、楽観的に、感謝を忘れず、世の為人の為に行動せよと言う風に僕は読めました。
「沢山笑え」と言うのも、笑うと医学的にも心理学的にも効能があることが知られていますが、先人はすでにわかっていたのですね。
健康のために必要なことってシンプルで、昔から変わっていないんですよね。
要は実践あるのみですが、産業化を背景に、誘惑多い現代日本の食環境。律することが大変だぁ(;^ω^)