高校生になり、新しい生活が始まることが嬉しかった。
もう毎日に怯えなくて済む。
我慢しなくて済む。
辛いことに耐えなくて済むんだ。
って思ったから。
心がすごく軽くなった。
私は高校3年間は、女子校でごく平和に過ごした。
ただ、男性に対しての恐怖心は消えなかった。
毎日、バスでの通学だったが、やはりたまに地元の男子と顔を合わせてしまう事が何度かある。
友達と乗っている時には問題なかったが、ある日テストで早い時間に帰った時。
私は1人だった。
私は始発駅で乗ったが、途中から、男子校生が集団で乗ってきた。
中学の同級生だった。
私は前の方に乗っていたので、気づかれないように体をうずめて、寝たふりをしていた。
でも制服ですぐに気づかれてしまった。
あれ、〇〇じゃん!
と、笑い声が聞こえてきた。
私はあだ名をつけられていた。
自分でも言いたくない、侮辱的なあだ名を。
久々に聞いたあだ名に、馬鹿にしたような笑い声。
言われた瞬間に、身体がビクッとした。
たったそれだけの事なのに。
私はそれから、どこへ行っても、男子校生を発見するとこわくてたまらなくなった。
全く関係のない、会った事もない人達なのに、
身体が勝手に反応する。
年頃の、若い男子の話し声、笑い声が聞こえてくるだけでビクついて、自分の悪口を言われているんじゃないか?
自分の事を見て笑っているんじゃないか?
と、被害妄想にかられてしまう。
高校生になると、周りの友達には彼氏ができ始め、私も何度か紹介をされそうになった。
でも、この狭い県内、どこかで地元の男子と繋がっているのではないか?と、それが怖くて、紹介も断ってきた。
同い年の男の子と付き合うなんて、私には考えられなかった。
自信もなかった。
こんなにブスで気持ち悪がられている自分は、
きっと誰も相手にしてくれるはずがないとも、
思ったから。
でも、心の奥底では、ずっと寂しかった。
誰かに必要とされたい。
愛が欲しいと、いつも思っていた。
そして、早く大人になりたいとも思った。
その頃から、大人の男性に対しての憧れが強くなった。
大人の男性は優しくて、傷つけるような事はきっと言わない。
優しく包み込んでくれると。
何故かそう信じ込んでいた。