【恋のマーケティング大作戦】第4話|理想の彼女に、体温を入れていった
このシリーズでは、停滞していた僕が、恋を自己起動装置として使い、設計とリサーチを進める中で、想定外の本命と出会い、役割と幸せの両立を、人生の選択として形にしていくまでの流れを、順番に書いていきます。理想の恋を考えたとき、最初に浮かんだのは、条件の一覧より、ひとつの場面でした。手を繋いで歩ける人。隣で、一緒に未来を描いていける関係。自立した者同士で、協力し合える関係。そこまでは、少しずつ見えてきました。そして次に、もう一段深く見たいことが出てきました。その人にも、人生がある。朝がある。仕事がある。疲れて帰る夜がある。言葉にしきれなかった想いがある。心の奥にしまってきた願いがある。理想の彼女を、僕の望む関係性の中にいる人として見るところから、人生を持った一人の人として見るところへ。そこへ進む必要がありました。理想の相手は、まだ紙の上にいた理想の相手を考えるとき、最初はどうしても、こちら側の願いから始まります。どんな人と一緒にいたいのか。どんな関係を作りたいのか。どんな未来に向かって歩きたいのか。それを考えることは、とても大事です。そこからさらに、その人自身の毎日を想像する必要がありました。どんな仕事をしているのか。どんなことで疲れるのか。どんな願いを持っているのか。どんな痛みを通ってきたのか。そして、どんな言葉を受け取ったら、心が少しほどけるのか。理想の彼女にも、朝がある。仕事がある。帰り道がある。疲れている夜がある。それでも、自分を立て直す時間がある。そこまで想像したとき、理想の相手が少しずつ、紙の上から生活の中へ降りてきた感じがしました。その人にも、仕事で頭を下げる日がある僕は、理想の彼女の日常を想像してみました。たとえば、ある日の仕事。後輩のミスで、お客さんに頭を下げる場面があった。自分が直接やったミスではない。でも、チームとして引き受ける必要がある。なんで私が。どうして確認してくれなかったの。また私が頭を下げるの。そんな気持ちが出てくる日もあると思います。それでもその人は、その出来事を、チームで乗り越える経験として捉え直そうとする。誰にでも間違いはある。これを一緒に乗り越えたら、きっとチームは強くなる。そんなふうに、目の前の出来事を少し未来へつなげようとする。仕事が終わって家に帰る。夜は、自分へのご褒美に、少しだけいいお茶を淹れる。本を読む。今日は少しだけ、自分を大切にできた。明日も、ちゃんと頑張れそう。そんなふうに一日を閉じる人。僕が想像した理想の彼女は、仕事で疲れる日もあり、感情が揺れる日もあり、それでも自分を整えながら前に進む人でした。その人にも、届かなかった想いがある彼女の背景も想像しました。たぶんその人には、一生懸命やったことが、うまく伝わらなかった経験がある。良かれと思って動いたことが、「重い」と受け取られたことがある。相手のためを思ってしたことが、「求めてない」と突き返されたことがある。そういう経験が重なると、自分の想いを出すことに慎重になると思うんです。どうせ伝わらないかもしれない。期待すると傷つくかもしれない。そんなふうに、人に期待しすぎない方法を、少しずつ覚えてきたのかもしれない。その奥にはきっと、ちゃんと願いがある。察してもらうことに頼りきる関係より、尊重し合って、話し合える関係がいい。気持ちをぶつけ合う関係より、お互いの背景を聞ける関係がいい。その先に、自然な協力が生まれる関係がいい。僕は、そんな人を想像していました。その人が積み重ねてきた強さも、人に見せにくくなった弱さも、丁寧に受け止めたいと思いました。相手の人生に触れるというのは、明るい部分だけを見ることに加えて、そこに至るまでの道のりにも敬意を持つことなんだと思います。前の関係で、僕に残った学びがあったここで、僕自身の過去も出てきます。かつての僕は、「家族の大黒柱として、ちゃんとしなきゃ」そればかり考えていました。仕事の成果。稼ぎ。父親としての立場。分かりやすい役割を、必死に演じていました。それが、家族への愛情表現だと、本気で信じていました。一生懸命働く。家族を支える。責任を果たす。その姿で、愛情は伝わると思っていたんです。けれど、一番近くにいた人が、何を感じていたのか。何に寂しさを覚えていたのか。その心の中に耳を澄ませることが、僕には足りていませんでした。家族を支える役割へ意識が向きすぎて、相手の心へ向かう余白が少なかった。それは、僕の中に残っている学びです。だから今度は、相手の人生ごと見ようと思いました。その人が何に疲れているのか。どんな言葉を飲み込んできたのか。何を大切にしてきたのか。どんな未来を願っているのか。そういうところに、ちゃんと耳を澄ませる関係を作りたいと思いました。マーケティングでいう、相手理解として考えていた僕はこの作業を、マーケティングでいう相手理解として考えていました。前の設計でやっていたのが、どんな未来に向かうのかを決めるゴール設定だとしたら。ここでやっていたのは、その未来を一緒に作る相手の人生を想像することでした。どんな人に届いてほしいのか。その人は、どんな毎日を生きているのか。何に疲れているのか。何を大切にしているのか。どんな未来を望んでいるのか。僕にとってマーケティングは、相手の人生に敬意を持つための枠組みでもありました。その人に届く形で関わるために理解する。相手の心がどこにあるのかを見失わないために理解する。そういう意味で、理想の彼女に体温を入れることは、恋愛における相手理解でした。そしてそれは、自分の在り方を問い直す時間でもありました。僕は、その人にとってどんな存在でありたいのか相手の人生を想像していくと、問いは自然と自分に戻ってきました。僕は、その人にとって、どんな存在でありたいのか。相手の仕事や日々を、その背景ごと受け止められる人でありたい。相手の頑張りを、結果だけで見るのではなく、そこに至るまでの道のりごと見られる人でありたい。僕がなりたかったのは、その人の心の声に耳を澄ませられる人でした。過去の失敗から身についた共感。同じ失敗を繰り返さないために、磨いてきた対話の姿勢。それを使って、相手の言葉の奥にあるものを、一緒に見ていける人でありたい。たとえば、その人がずっと一人で頑張ってきたのなら。ただ隣に座って、「その鎧、重かったよね。今まで一人で、よく頑張ってきたね」そんな言葉を渡せる人でありたい。解決を急ぐ前に、まず、その人が背負ってきたものを一緒に見る。正しさを並べる前に、その人の心の声に耳を澄ませる。そして、そこから一緒に関係を育てていく。僕は、そんな存在でありたいと思いました。理想の彼女に、体温が入っていったここまで考えたとき、理想の彼女は、少しずつ変わっていきました。手を繋いで歩ける人。隣で未来を描いていける人。自立して協力し合える人。そこからさらに、仕事で頭を下げる日もある人になりました。届かなかった想いを抱えてきた人になりました。それでも、尊重し合い、話し合える関係を願う人になりました。夜に少しだけいいお茶を淹れて、本を読みながら自分を整える人になりました。そして僕自身も、その人に対して、どんな男でありたいのかが見えてきました。理想の彼女は、条件の集合ではなく、人生を持った一人の人として立ち上がってきた。その瞬間、理想に体温が入った気がしました。次にやることは、その理想を持って、現実の出会いに出ていくことでした。現実には、設計とのズレが出てきます。違和感も出る。思っていた通りに噛み合わないこともある。でも、そのズレも含めて、関係性の可能性を確かめていく。次は、そんなリサーチの話です。(つづく)【このシリーズの記事】← 前の記事『【恋のマーケティング大作戦】第3話|理想の恋を、先に設計してみた』このシリーズでは、停滞していた僕が、恋を自己起動装置として使い、設計とリサーチを進める中で、想定外の本命と出会い、役割と幸せの両立を、人生の選択として形にして…ameblo.jp次の記事 →【恋のマーケティング大作戦】第5話|ズレも込みで、リサーチしていたこのシリーズの一覧はこちら↓[恋のマーケティング大作戦]恋のマーケティング大作戦|摩擦とお役目の物語|再婚メンズの仕事・家庭・人生道中記しだちん|摩擦とお役目の物語さんのブログテーマ、「恋のマーケティング大作戦」の記事一覧ページです。ameblo.jp