「何のために仕事をするか」振り返らせるコーチングの重要性 | Blog版日本プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー協会(JIPCC)

「何のために仕事をするか」振り返らせるコーチングの重要性

私事ながら、義父を亡くし、葬儀を終えました。

久しぶりに逢う親戚一同を前にして、改めて感じたことは、コミュニケーションの大切さと、手段としてコミュニケーションを図る場合、相手を思いやることの重要性です。

究極の状態での意見まとめや合意を取り付けることは、とても大変です。

価値観の違いや、故人への思いの違いによる意見の不一致に悩まされました。

さて、気の早い桜の花が開花する春を迎えました。

早いところでは、すでに満開を迎えているようです。

ところで、人生の満開は、いつの時点のことを言うのでしょうか?

ひとそれぞれに違う満開を迎えるためにも、コーチングを取り入れて、目標達成に向けて、チャレンジして生きられたら素敵ですね。

さて、1号お休みをいただきましたが、今号では、改めて、「何のために仕事をするか」、振り返らせるコーチングの重要性についてお話ししたいと思います。

大学生や高校生の就活でも、まず、最初に話すのは「何のために仕事をするの」かということです。

「お金がほしい」とか、「ブランド物のおしゃれな洋服がほしい」とか。自分の必要とするものを買うために、お金が必要だという人は多いのですが、それは、働く動機づけとしてはだれでも、その割合は別として、もつものであって人事にアピールできる要素ではありません。

重要な点は、そのほかに、何を大事にするかということです。

順番や、割合をひも解いてみましょう。

これは、会社に入っても同じです。

自分は何のために働いているのか?

家族を養うためとか、家を買ったのでローンを返すためとか、それぞれの理由はあるでしょうけれども、何のためにということと、将来、どうしたいかを明確に描くことによって、今、自分が何をしたらよいか、頭の整理ができるのではないでしょうか?

では、どんなコーチングをするとよいかですが、まず、対象とするのは、何となく元気がない部下、失敗が目立つようになった部下、仕事に対する姿勢に張りが感じられない部下、コミュニケーションが取れない部下などです。そして、対象者を見つけるために、観察眼を養ってください。そのためには、常に部下の様子をうかがうよう、タイムマネジメントしてはいかがでしょうか?

20人も30人もいる部下と、毎日必ず話すなどは無理な計画です。

部下同士のやり取りを見るだけでも、相手の変化に気づくことはできるようになります。

次に、声をかけるときのきっかけづくりについてですが、いきなり「この頃元気がないようだね、何かあったのかい?」と、オープンクエスチョンが良いからと、間口を絞り込めない質問を投げるのは控えましょう。

「この頃、様子を伺うと、わたしにも元気がないように見えるよ。体の具合がよくないのかな?」と、意図的にクローズドクエスチョンでスタート。

この質問には、ほとんどの部下は、「いいえ、大丈夫です!」と、カラ元気を出しても答えるはずです。

ここからが、腕の見せ所です。

「なるほど、大丈夫なんだね。どんなところに大丈夫を感じるのかね?」と、話の焦点を「元気に感じること」に絞りこんだところで、グローバルに答えられる質問を投げることによって、部下は、自分の大丈夫の答えの裏付けを探すことができるようになるでしょう。

こういう前置きの会話を省略しないで丁寧に行ったうえで、本題に切り込みましょう。

「このごろ、仕事に対する思い冷めているように見えるが、どんな目的で仕事をしているか、原点に戻って考えてみたらどうかね?」

「いえ、仕事に対する思いは冷めてはいません」

「そうか、それならいい。しかし、そもそも君は、どんな目的で仕事をしているのかね?」

と、一方を否定したことを受け止めて安心をおぼえさせてから、本題に切り込んでみましょう。

本題に切り込むと際、コーチ役の上司の皆さんは、回りくどい説明をしないようにしましょう。

単刀直入で構いません。なぜか、理由は、本当に考えてほしいことだけ受け止めてもらいたいからです。言い辛いことを言う時、人は修飾語をつけて話したがるものですが、帰って、部下は気をまわしてしまい、本当に考えてほしいことではないことに考えをもったり、上司のもつ答えを探ろうとしたりしがちです。

そんなことを防ぐためには、たまには、ストレートであってもかまわないということです。

先日、ある大学の教授が、「会社に使われるのではなく、会社を遣って、自己実現をする。それが働くということです」と、力強く学生にメッセージを送っていましたが、まったくそのとおりだと思います。

何をさせてもらうことができるのか、自分は何をしたいのか。

そして、それができたら、自分はどんな人になれるのか?

十分考えられるよう働きかけをして、自分の目標を再確認させてあげるように、コーチングを進めてくださいね。