恋愛心理1.情熱と愛 | 日本心理教育院 www.jip.ac

 

「恋愛」とは、お互い好きで大切だと思う親密な人間関係を言います。ところが恋愛の心理は真逆の感情が共存しています。バラ色であるときもあれば地獄を味わうときもあります。魅力を感じる一方で心が痛みます。みんな恋愛が大好きな理由は恋愛にはこのような両面性があるからです。幸福の感情が大きければ大きいほどその反対側にある傷やストレスも大きくなるのは当然のことですが、多くの人が自分の恋愛だけは他の人とは違う特別なものだと考えます。

もし初対面の男が肉食系で独善的な人なら、女は男の強烈なイメージに独特の魅力を感じます。初対面の女が我がままを言ったり駄々をこねると、男は女の子供のような純粋さに惹かれます。友達に「あの男は最低よ」と言われようと、「あの女は最低だよ」と言われようと、恋愛は他の人々が何と言おうと、自分が相手と一緒にいて楽しければそれで良いのです。これが恋愛の心理です。

しかし、お互いに惹かれていくほどストレスと傷が作られるようになり、ストレスと傷が多いということはそれだけ相手に対してたくさんの関心をもっているという意味です。相手がどれだけ自分を苦しめたり、理解できない行動をしても、それでも相手を渇望するのが恋愛です。

恋愛にも喜怒哀楽が存在します。長い間付き合っていると、相手の基準と自分の基準があまりにも違いすぎてストレスと傷を受けるようになり、ストレスと傷が継続されると、男は徐々に情熱が消え、女の愛の感情は徐々に冷めていきます。すると男と女の恋愛には終止符が打たれることになります。しかし、いざ別れた後は後悔しながら自分を責めることもたくさんあります。

恋愛を軽く考える人もたくさんいます。しかし、恋愛にも人生の喜怒哀楽がそのまま適用できます。 女は、男と出会ったことがこの上ない幸運だと思うくらいの幸福を感じながらも、無意味な嫉妬をしながら苦痛の時間を過ごすこともあります。男は愛する女が自分を大切に思ってくれ尽くしてくれると涙が出るほどの感動を覚えながらも、女が軽くあしらっただけでも傷つきます。恋愛の心理はこのように複雑ながらも実に単純なものです。

恋愛は常に楽しくて幸せなものだと言うイメージがありますが、それは表面的な姿に過ぎません。心と心理の作用でみると地獄と天国が共存しているため、ストレスと傷は必然的なものなのです。

恋愛をして別れる理由の多くは、ストレスと傷がヒーリングされないからです。二人の間に生じる葛藤の原因を理解できると、ストレスと傷は自ずとヒーリングされます。なぜなら葛藤は相手のことが理解できないことから出発するからです。相手を理解できると自分にストレスと傷は生まれません。恋愛はお互いに対する理解をベースに人間関係を結んでこそ、真の情熱と愛が作られます。

恋愛とは、心が結合された人間関係を意味します。つまり女の心と男の心が結合されたもので、男の心である情熱と女の心である愛が結合することを言います。

友達と恋人の人間関係を区分するのは、友達は一般的な人間関係であり、恋人は男の情熱と女の愛が結合された人間関係を指します。しかし、最近は友達と恋人を区別せずに混同して使う場合も多くあります。異性の友達を「単なる友達だよ」と強調する人がいます。男と女を区分する瞬間、すでに心では性心理がはたらくようになります。それで「単なる」と強調していることは、無意識では異性として認識しているという意味であり、いつでも異性関係に発展できる関係なのです。意識で感じるものの無意識では反対のものが作用しているからです。愛と幸福の裏には傷とストレスが潜んでいるように、意識で異性を友達だと強調しているということは、無意識では恋人関係としての人間関係が潜んでいるという意味です。

恋愛感情は、男の情熱と女の愛が結合されたときに生まれます。男の情熱とは心で作用する良い気分であり、女の愛は心で作用する良い感情です。人間の心では気分と感情が生成されると、その生成された気分と感情を自覚して記憶に保存し、記憶されたものを表現するようになります。

良い気分を感じるためには、5つの感覚器官をとおして入ってくる認識が重要です。すなわち、相手によって入ってくる認識が良いものだと感じてこそ、良い気分が生成され、その良い気分に没頭することができるようになります。女と一緒にいることが楽しく良い気分を誘発するものであれば、男には情熱が生成されます。反面、女は認識され入ってくるものとすでに自分の記憶にあるものが結合されてこそ無意識で感情を生成します。無意識でつくられた良い感情が意識で自覚され感じるのが女の愛です。

このときに女の愛の感情をつくるものは相手男から与えられる関心です。関心には愛を生成する良い関心もあり、目的がある悪い関心もあります。女は二つとも関心として受け入れます。両方とも関心であるため、とりあえず受け入れて記憶に溜めておきます。

女は恋愛するとき、男の関心をひくために外見に気を遣います。デートの前に丁寧に化粧して自分に似合う服を選ぶため何着も着替えたりします。しかし男は自分が好きな女の外見やスタイルはさほど気にしません。自分の感覚器官をとおして入ってくる刺激に敏感なだけです。特に、男は、視覚が最も敏感なので女性の表情がその日の男の気分を左右します。会った時に女が自分を見て喜んでいるのか、男が話すことにどれほど女が反応してくれるのかによって気分が良くなるか悪くなるかします。女があまり笑うこともなく男の話にあまり反応していなければ、女がいくらおしゃれをしていても男の気分は悪くなります。女が男の心をつかむためには、男の言動によく反応を示さなければなりません。そうでないと男は楽しくなく退屈を感じ女に背を向けることになります。

男は恋愛をする時は楽しさと面白さを求めます。恋愛する時の男の心理は、結婚する女よりは恋愛に適した女を探します。その理由は楽しく遊びたいからです。

 
男と女が初めて恋愛する時は、経験不足で思いがけない失敗で終わることもあります。一種の試行錯誤です。女は感情が作用しているので、自分が男を好きな感情を同じように男ももっていると考えています。自分が好きなものは男も当然好きだと考え、自分が嫌いなものは男も当然嫌っていると断定します。これが女性の恋愛心理です。しかし、男の恋愛心理は女とは異なります。今現在、自分の気分が良ければすべてがよしなのです。

男と女が会って遊園地に行きその後で映画も見ました。女は、男のデートコースに満足しとても楽しい時間を過ごしました。男も女の楽しそうな反応に浮かれています。夕方になり男は女を連れて焼き肉屋に行きました。遊園地で歩き回ってのでビールと肉が食べたかったのです。それで、女の意見は聞かずに自分の行きつけの焼き肉屋に連れていきました。さっきまで大笑いしながら楽しそうにしていた女が、焼き肉屋ではあまり笑うこともなく口数も少なくなりました。男は何とか雰囲気を盛り上げようと冗談を言ったりしますが、女はあまり反応がありません。すると男は強いストレスを受けることになります。気分が悪くなった男は女を送ってあげることもせずに店を出て二人は別れました。

 

女は肉があまり好きではないのに自分の意見も聞かずに焼き肉屋に行ったことで機嫌が悪くなったのですが、それについては言及しない男にさらに失望して、送ってくれなかったことも遊園地に行ったことも映画を見たこともすべてに対して感情が悪くなりました。しかし男は今現在認識されるものによって気分が良くなるか悪くなるかするだけです。

 

男がパスタを食べにイタリアンレストランに連れていったなら、女は同じように反応をしていたのか考えてみるべきです。反面、家に帰った女は悪くなった感情を引きづりながら自分を責めたり男を恨んだりします。
 

男と女が恋愛に失敗する理由は、相手も自分と同じ心だと思うからです。男の心と女の心は全く異なります。それで相手が自分の基準に合わないとストレスと傷がつくられ葛藤を経験することになります。初恋愛が失敗に終わると、女は不安な感情を抱き新しい恋愛することが怖くなったり恋愛を否定的に捉えたりします。

恋愛する時お互いの基準に合わないときは喧嘩をします。自分の過ちは認めずに相手のせいにする人もたくさんいます。女と男が些細なことで喧嘩すると、男と女は一定時間連絡をせずに過ごします。傷ついた気分や感情を元に戻すには時間が必要だからです。つまり各自の方法でストレスと傷をヒーリングしているのです。ストレスと傷をヒーリングしながら自分の言葉と行動、表情はどうだったのか、それが相手の心理にどのような影響を与えて、どのような反応を引き起こしたのか深く考える時間をもつのです。


女は相手の基準が気に入らない時に自分の感情を抑圧したほうが良いのでしょうか。それとも相手に正直に表現した方が良いのでしょうか。

気分が良くない状態で自分の気持ちを率直に話すことは勇気が必要なことです。もし率直に話をすると相手の立場を全く考慮していないことになるからです。自分が気分を損ねた話をするためにはまず自分のネガティブな感情をヒーリングしてから笑顔で話をすれば男もストレスを受けることはありません。

 

男が最も敏感に感じる刺激は視覚と言いました。不機嫌な顔で自分の基準を押し付けようとすると女の恋愛は長続きしません。このような女とデートする男は、自分の言動に制約を受けることになります。下手すると男は女の反応をいちいち気にしながらデートするよりは、別れて楽しさを与えてくれる他の女に会った方がましだと考えます。

女がいくら魅力的な女でも、一緒にいて楽しくなければ女に魅力を感じることはありません。これが男の恋愛心理です。恋愛しながら相手の立場は考慮せずに自分が好きなように言動をすると、女の感情も男の気分も悪くなるのは当然です。

女は人によって愛の基準が異なり、男も人によって情熱の基準が異なります。若い女性であれ年寄りの女性であれ、それぞれ各自の基準をもって生きていきます。相手が自分の基準に合わないときにストレスと傷ができます。 男はストレスが継続されると情熱が消え、女は傷が継続されると愛が消えていきます。恋愛する時のストレスと傷をヒーリングできることが重要でありそれができる関係であるときに情熱と愛は長続きすることになるのです。

 

 

 

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