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ネフローゼ症候群の診断に必要な検査は
尿検査:たんぱく質や血液などが混じっていないかどうかを調べます
血液検査:
①血液中の蛋白質が不足していないかどうか
総蛋白・アルブミンなどの濃度を調べます
②たんぱく質が低下すると
脂質異常症(コレステロール上昇)がみられるのでコレステロールの濃度を測定します
③腎臓の働きを調べるために
クレアチニン・尿素窒素などの濃度を測定します
腎生検:
ネフローゼ症候群の原因となった
病気(タイプ)の診断を確定するために、腎臓に細い針を刺して組織の一部をとり、顕微鏡などで詳しく調べる『腎生検』という検査を行います
腎臓は腰に左右1個ずつあるので、腹ばいになり背中に超音波をあて場所をみながら背中に針を刺して行います
取れた組織に色々な染色をして
顕微鏡で調べます
ネフローゼ症候群の診断基準
①蛋白尿
1日の尿蛋白量が3.5g以上が続く
または随時尿で尿蛋白/尿クレアチニン比が3.5g/gcr以上
の場合
②低アルブミン血症
血清アルブミン量が3.0g/dl以下
血清蛋白質量が6.0g/d以下
の場合も参考になる
①・②を満たすとネフローゼ症候群と診断します。
下の③④も参考にします。
③むくみがある
④脂質異常症(高LDL血症)
この①~④が
ネフローゼ症候群の4大症状です。
ネフローゼ症候群の治療
ネフローゼ症候群の治療の目標は
尿蛋白を抑えることです。
その方法は
①ステロイド療法(経口療法、パルス療法があります)
A 経口療法
連日投与
投与量は
一般的にステロイドを4~8週間投与し
尿たんぱく質の量をみながら少しずつステロイドの量を減らします。
隔日投与
ステロイドの経口投与を1日おきに行う方法です。
ステロイド離脱症状をふせぐために行うことがあります。
B ステロイドパルス療法
通常量のステロイドで症状が良くならない場合には
大量のステロイドを点滴によって短期間(通常3日間)投与する
ステロイドパルス療法を行います。
ステロイドの副作用
ステロイドの副作用で特に注意が必要なのは
体の抵抗力が落ちることによる感染症
消化管の粘膜が弱まることで起こる潰瘍
です
他にも
骨粗鬆症
大腿骨頭壊死
血栓の形成リスクの上昇
不眠や不安などの庄交を起こすステロイド精神病
白内障や緑内障
顔が満月のように丸くなる『ムーンフェイス』
などが現れることがあります
急激にステロイドを減量すると
だるさや頭痛
などが生じる可能性(ステロイド離脱症候群)が
あるので
担当医の指示を守り飲み忘れに注意する必要がありますよ
②免疫抑制療法
腎臓での炎症の発症や進行には、体内での免疫反応の異常が副悪関わっている
と考えられています
免疫抑制療法は、この異常な反応を抑えて症状を和らげてくれます
ステロイド治療によって、ネフローゼ症候群がおさまらない場合には治療経過に応じて以下のような免疫抑制薬が使用されます
シクロスポリン・シクロフォスファミド・ミゾリビン
免疫抑制療法の副作用
免疫抑制薬には、長期の使用によって腎障害の副作用がみられることがあります
また、骨髄の働きが低下することによって白血球の減少、感染症もあらわれることがあります
ほかに
高血圧、心不全、不整脈や消化器症状(下痢・吐き気・腹痛)
などもあらわれることがあります
③モノクローナル抗体療法
ネフローゼ症候群のひとつに、異常なリンパ球の働きによるたんぱく尿の発生が考えられています
モノクローナル抗体療法では
この異常なリンパ球を排除します
モノクローナル抗体療法の副作用
急性輸液反応
リツキシマブの投与中から投与開始24時間以内に
発熱・悪心・発疹が現れることがあります。
感染症
ウイルス・細菌などによる感染症にかかることがあります。
投与開始直後からみられ
重篤な感染症(敗血症・肺炎など)では死に至ることがあります。
間質性肺炎
通常の肺炎とは異なり
肺にある空気の入った小さな袋の壁(間質)に炎症が起こります。
投与開始直後からみられることがあります。
今回は長くなってしまいました
中外製薬さんが発行している資料からご紹介しました。
監修は大好きな武井卓先生です
日高病院腎臓病教室youtube
最後までお読みいただいて
ありがとうございました
2010年から毎月腎臓病の教室を行っています
遠方の方から
『参加できないけど内容を知りたい』
といわれたのがきっかけでブログをはじめました
一つでもお役に立てたらうれしいぞっと思って書いています
読んでいただけたら嬉しいです