患者さん向けの『免疫抑制療法を受けている患者さんへの新型コロナワクチン接種に関する見解について』

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先日日本腎臓学会から『腎臓病で免疫抑制療法を受けている患者さんへのCOVID-19ワクチン接種に関する見解について』が発表されました

このblogでもちまちま紹介していますが

患者さん向けのものをばば～んとご提示したほうがわかりやすいかと考え直し、ばば～んとご紹介します

もっと詳しく知りたい方は、ぜひ日本腎臓学会ホームページをご覧くださいませ

以下、上記文章を大きくしたものです

新型コロナウイルス感染症（COVID-19）ワクチンについて〜腎臓病で免疫抑制薬を使⽤している患者さんへ〜

⽇本でもCOVID-19ワクチンの接種が開始されました。腎臓病の患者さんから寄せられる質問について、現時点での回答をまとめました。

Q1. ワクチンとは？ A1. 感染症にかかると、原因となる病原体（細菌やウイルスなど）に対する免疫（抗体）ができます。同じ病原体が体内に侵⼊した場合、免疫（抗体）が速やかに反応するため、同じ感染症にはかかりにくく、かかっても軽症で済むことが知られています。この仕組みを利⽤し、抗体を作る反応を起こす成分を含むワクチンを接種することで予め免疫（抗体）をつけておくのが予防接種です。

Q2. 腎臓病の患者はワクチンを接種すべきでしょうか？ A2. 慢性腎臓病（CKD）注1の患者さんおよびステロイドなどの免疫抑制薬を使⽤している⽅は COVID-19の重症化リスクが⾼いと考えられ、「基礎疾患を有する者」として、⾼齢者に次ぐ優先接種の対象となります。重症化リスクは患者さんごとに異なりますので、実際にワクチンを接種するかどうかは主治医とご相談下さい。

Q3. ステロイドなどの免疫抑制薬は、ワクチンの効果や副反応に影響しますか？ A3. 免疫抑制薬を使⽤している⽅では、A1でご説明したような免疫反応が⼗分に起こらず、ワクチンの効果が低下する可能性がありますが、現時点でははっきりしたことはわかっていません。⼀⽅で、免疫抑制薬を使⽤している⽅はCOVID-19に感染した際の重症化リスクが⾼いと考えられ、ワクチン接種が推奨されています。インフルエンザワクチンなどの場合、接種前に免疫抑制薬を中⽌・減量することはありませんので、基本的にはワクチン接種の前後に免疫抑制薬を変更する必要はないと考えます。少なくとも、免疫抑制薬の使⽤により、アナフィラキシーなど重篤な副反応が増えることはないとされています。ただし、リツキシマブ（商品名リツキサン）は抗体をつくる細胞を減少させますので、ワクチンの接種時期には注意が必要かもしれません。COVID-19の重症化リスクや、腎臓病に対する免疫抑制薬の必要性や治療の緊急性は患者さんごとに異なりますので、ワクチンの必要性や接種時期については主治医とよく相談するようにして下さい。

Q4. ワクチンを接種したら、COVID-19にかかることはないのでしょうか？ A. 現在、⽇本で承認済・承認申請中のワクチンはいずれも有効性が⾼いとされていますが、それでもCOVID-19の感染を完全に抑えることはできません。従いまして発熱や咽頭痛などの症
状が出た場合には、ご⾃⾝の重症化防⽌のため医療機関等に相談したり、⾶沫（しぶき）が⾶びにくい素材のマスクを正しく着⽤、⼝や⿐を触った⼿は速やかに⼿洗いするなど、感染には⼀層注意し、他者への伝搬を防ぐ⾏動をお願いいたします。つまり、ワクチン接種後も⼗分な感染対策（3密（特にリスクの⾼い5つの場⾯）注2の回避、マスクの着⽤、⼿洗いなど）を継続することが重要です。

注1. 慢性腎臓病（CKD）は下記のいずれか、または両⽅が3ヶ⽉以上続いている状態です。 1. たんぱく尿などの尿異常、画像診断や⾎液検査、病理所⾒で腎障害が明らかである状態 2. 腎機能の低下（⾎清クレアチニン値（Cr）をもとに推算した⽷球体濾過量（eGFR）が60 ml/ 分/1.73 m2未満の状態）

注2. 3密：密閉、密集、密接感染リスクが⾼まる5つの場⾯は、「飲酒を伴う懇親会等」、「⼤⼈数や⻑時間におよぶ飲⾷」、「マスクなしでの会話」、「狭い空間での共同⽣活」、「居場所の切り替わり」です。