午後の部は
自治医科大学附属病院さいたま医療センターの田部井薫先生のお話で始まりました。
慢性腎臓病:CKDの定義から
日本の慢性腎不全患者さんの現状:2012年12月31日現在
(総透析患者数309946人、透析導入患者数38165人、死亡患者数31110人、最長透析歴患者44年9か月)
腎不全の原因
腎機能の評価法
慢性腎臓病の治療
・血圧管理
・貧血管理
・骨・ミネラル代謝異常における注意
・尿酸管理
・高カリウム血症、代謝性アシドーシスの管理
・糖尿病管理
・生活指導・食事指導
などを話されていました。
日高病院腎臓病教室の基礎編の内容と一緒なので
割愛させていただきますね
食事療法、特にタンパク制限の大切さを強調されていました。
蛋白制限をすることで
腎機能低下速度をゆるやかにできたり、尿毒症症状を緩和できるので
透析療法を必要とするまでに時間を稼げるということです。
次に
自治医科大学付属病院臨床栄養部の佐藤敏子先生より
低タンパク食事療法のコツ~治療用特殊食品を上手に使って~
のお話しがありました。
まず、基礎的なこと
各腎機能に合わせた食事療法の目標値について。
ステージG4~5の方では
理想体重1kgに対し
タンパク質0.6~0.8g/kg/日
エネルギー25~35kcal/kg/日
食塩3g以上6g以下/日
カリウム:・高カリウム血症では制限
実際に
低たんぱく食実践にむけて
ステップ0
肉類および魚類の加工品(練り食品、ハム・ウインナーなど)を副食(おかず)にする週刊をやめる
ステップ1
タンパク質を多く含む食品、少ない食品について理解する
ステップ2
いままでの副食(おかず)のタンパク質供給源(肉類・魚類・卵・大豆製品)を日常の使用量の1/2にしてみる
ステップ3
1日のタンパク質摂取量が目標+10g程度になったら、主食を低タンパクごはんと交換する
(1日3食とも使用する場合、タンパク質を5gほど節制することができる)
ステップ4
ライフスタイルに適した各食事分のタンパク質の食事パターンをマスターする
です。
ステップ4は
たとえばタンパク質が45gの指導なら
1食分のタンパク質は15gなので
1食15gのときの食事パターンをマスターするということです
他には
塩分の見方
食塩は調味料以外、食品に含まれ値エルので
体に入る1日の食塩量とは
食品及び調味料に含まれる食塩
となるわけです。
一般的に
食品中に含まれる食塩量は1日1~2gとされています。
『1日の食塩量が6g』と指導されている方は
調味料としては
おおよそ食塩4g~5gとなります。
ステップ0でお話しした練り製品などの加工品には多くの食塩が含まれているので
控えましょう
食品の表示の見方は・・・・・・
食塩相当量(g)=ナトリウム量(mg)×2.54÷1000
ナトリウム約400mgが食塩1gに相当すると考えるとわかりやすいですね!
他にカリウムの制限法についてもお話しがありました。
カリウムは野菜・果物・イモ類に多く含まれますが
肉・魚類・卵・大豆製品・乳製品のように『タンパク質の供給源』にも含まれます。
カリウム制限を指導されている時は
カリウムを多く含む果物や生野菜は控えましょう。
カリウムは水にとけるため
野菜は水にさらすか煮こぼしましょう
という内容でした。
当院の腎臓病教室でお話ししていることですが
新たに聞くと頭に入りやすいですね!
みなさんも機会があったら
『もう知ってる』
ではなく
ぜひ、参加してみてください
きっと何か発見がありますよ