腎機能が低下したら、タンパク質制限するのはなぜ? | 腎臓内科医のつぶやき

腎臓内科医のつぶやき

気軽に腎臓病について知っていただく機会を作りたいと思って、2010年から月1回の腎臓病教室を始めました。教室でお話した内容や、腎臓関係のマメ知識をお話できたらいいなと思っています。2018年12月にyahooブログから引っ越ししました。

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タンパク質って、食べ物のうち何に含まれているかわかりますか?
 
 
 
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なんと
 
ほとんどすべての食品に入っています
 
 
その中でも特に多いのが
肉・魚・大豆製品・乳製品などです
 
 
 
 
 
 
タンパク質は
体の血肉のもととなるとても大切な栄養素です。
 
 
でも
腎機能が低下してくると、少し話が変わってきます。
 
 
 
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腎臓は体の毒素を尿にこしだす仕事をしていますが
その毒素のもとになっているのが
タンパク質の”カス”なんです。
 
 
食べたタンパク質は
腎臓で”窒素老廃物”として、尿に捨てられます。
 
 
 
ドキドキ   ドキドキ   ドキドキ
 
 
 
そのため
腎機能が低下している時に
大量のタンパク質をとると
 
 
①弱っている腎臓の負担を増やし、腎機能をより早く低下させてしまいます。
 

 
②弱っている腎臓から漏れ出るタンパク尿の量を増やします。
ダウン
増えたタンパク尿は腎機能をより早く低下させます。
 

 
③窒素老廃物が体にたまり、尿毒症症状の原因となります。
 
 
 
そんなわけで
腎機能が低下している時のタンパク質の摂り過ぎは
腎臓によくないんです。
 
 
 
腎臓を悪くする機序はもっと細かくわかっていますが
ややこしいので今回は省きますね。
 
 
 
 
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外来でみなさん一人ひとりにあった
 
食事のカロリー・タンパク質量・塩分量・カリウム量
 
などの指導を受けていらっしゃると思います。
 
 
年齢
やせ気味・太り気味
糖尿病の有無
栄養状態がいいか悪いか、
服用している薬の内容
 ・・・
 
などを考えて、担当医の先生が考えてくれています。
 
タンパク質制限には
こんな理由があるんですよ。
 
 
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ただ減らせばいいというわけではありません。
 
足りないと栄養失調になって体力が低下したり
感染症にかかりやすくなったりと悪いことが多くなってきます。
 
 
 
    
 
 
 
『米や麺などのタンパク質だけで制限に近くなっちゃうから
おかずは食べない』
 
っていうお話しを時折耳にしますが
これはよくありません。
 
 
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肉・魚などに含まれている必須アミノ酸は
自分の体では作れません。
 
 
含まれている食品を食べないと体に入ってきませんので
まんべんなく、食べる必要があります。
 
 
 
チューリップ赤    チューリップ赤    チューリップ赤
 
 
 
毎食の用意が大変な時は
宅配の腎臓病食などを1日1食でも利用してみてはいかがでしょうか。
低タンパク質の米などを活用するのもいいですね。
 
 
わからないことは栄養師にご相談ください。
きっとお力になれると思いますよ
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