今回は
睡眠時無呼吸症候群の患者さんを治療した時
高血圧が改善するか
糖尿病の血糖が改善するか
を調べた論文をご紹介します。
睡眠時無呼吸症候群を治療するとその患者さんの高血圧が改善する
ということはわかっていましたが、
今回は新たに血糖の改善もあるか調べています。
対象は
アメリカの退役軍人医療センター2施設に通っていた患者さん
高血圧か2型糖尿病、またはその両方を合併していて
新たに睡眠時無呼吸症候群と診断された男性221人です。
血圧(収縮期、拡張期血圧)
血糖コントロール(外来空腹時血糖、HbA1c値)
の変化をみています。
結果は・・・・・・
睡眠時無呼吸の治療によって
高血圧患者の収縮期・拡張期血圧は、ともに有意に低下しました。
下がった血圧の程度はどうだったか?
収縮期血圧(高い方の血圧)は
観察期間が3~6か月の患者さん達では -7.44mmHg程度
観察期間が9~12か月の患者さん達では -6.81mmHg程度
低下していました。
拡張期血圧(低い方の血圧)は
観察期間が3~6か月の患者さん達では ー3.14mmHg程度
観察期間が9~12か月の患者さん達では -3.69mmHg程度
低下していました。
どちらの血圧でも有意差がでており、しっかりした効果が伺われます。
でも、
結果にばらつきが多かったようです
(すごく下がる人もいれば、あまり下がらない人もいた)。
その理由として
患者さんの年齢が大きく関係していそうでした。
高齢の男性ほど、
睡眠時無呼吸の治療を行っても、血圧の低下の程度が少なかったのです。
どうやら
若い人ほど、睡眠時無呼吸の治療を行うと血圧改善効果が期待できそうですね。
糖尿病に関しては、
残念ながら血糖改善効果はみられませんでした
こちらについてはこれからも調べていくようです。
ちなみに
睡眠時無呼吸の治療は
陽圧呼吸を行いましたよ。
今回は
Journal of Clinical Sleep Medicine
の
2012年8月号からご紹介しました。
睡眠時無呼吸症候群の方って、実は結構いらっしゃいます
私の外来を受診する患者さんも
疑わしい時は検査をします。
今月も一人の方に重度の無呼吸が判明し
早速治療が開始されました。
腎臓にも関係がありますので
思い当たる方は一度調べてもらうといいでしょう