慢性腎臓病の人は、脳梗塞・脳出血・心筋梗塞など血管に関係する病気を発症する危険性が高くなることは、以前お話しましたね。
具体的には、
タンパク尿がある人は、ない人と比べて、
2.8倍発症しやすく、
腎機能の指標であるGFR(糸球体ろ過量)が60以下の人は、それ以上の人と比べ、
1.4倍発症しやすいんです!
そんな怖い心筋梗塞・脳梗塞・脳出血を発症する危険性を下げるために、
歯石除去が有用な可能性がある
との報告があります。
台湾のZu-Yin Chen氏らが発表してますので、ご紹介します。
口腔の衛生状態と心血管疾患の危険性には関連があることが知られ、歯磨きの励行はこの危険性を低下させることが最近報告されています。
今回の報告は予防歯科処置といわれている歯石除去と心血管疾患発症の危険性を調べたものです。
その結果、歯石除去した人達では、心筋梗塞・脳梗塞・脳出血を発症しない率が歯石除去した人たちで有意に高かったんです。
さらに、歯石除去を受けていない人より、2年間に1回未満で受けた人、2年間に1回以上受けた人のほうが、より、上記の病気を発症する危険性が減少する傾向が見られました。
このデータから考えられるのは、
毎日の歯磨きに加えて定期的に歯石除去を行うことにより、
口腔内の衛生が保たれ、
将来の心筋梗塞・脳梗塞・脳出血を発症する危険性が低下
するかもしれない
ということです。
この他にも、口腔内を清潔に保つことで、誤嚥性肺炎などの感染症を発症する危険性も低下するとの報告もあります。
みなさん、身だしなみも大切ですが、お口の清潔も確認してみてくださいね!