寒い季節に気を付けたいこと | 腎臓内科医のつぶやき

腎臓内科医のつぶやき

気軽に腎臓病について知っていただく機会を作りたいと思って、2010年から月1回の腎臓病教室を始めました。教室でお話した内容や、腎臓関係のマメ知識をお話できたらいいなと思っています。2018年12月にyahooブログから引っ越ししました。

今回は寒い季節に発症しやすい病気(脳・心臓)について、お話しします。
 
 
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冬は寒くなるので血管が縮こまり血圧の変動が激しくなる時期です。そのため脳梗塞脳出血心筋梗塞狭心症など血管に関係が深い臓器の病気が多くなります。全身状態が悪くなることで、腎臓にも負担がかかります。
 
 
 
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脳卒中には、脳の血管がつまるタイプの脳梗塞と、血管が破れるタイプの脳出血・くも膜下出血があります。
以前は脳出血など破れる病気が多かったですが、近年は血圧管理が良くなったため脳出血の発症は減少しました。一方高脂血症や糖尿病と関連の深い脳梗塞が増加してきています。
 
 
脳梗塞は、動脈硬化や血栓などで脳の血液循環が悪くなり、酸素や栄養が脳に行き届かなくなって、脳組織が壊れた疾患をいいます。
 
 
一方脳出血は、動脈硬化や高血圧でもろくなった血管が、血圧に耐えられず破れて出血し、周囲の脳組織が壊れた状態を指します。くも膜した出血は、脳の表面にある軟膜とくも膜の間にある脳動脈のこぶが破れて出血した状態をさします。
 
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脳卒中と一言でいっても、いろいろな病気がありますね。
 
 
 
下のグラフは ダウン
右に行くほど血圧が高くなり、棒が長くなるほど脳卒中を起こす人が多いことを表ています。
 
血圧が高い人ほど、脳卒中を発症する危険性が高くなっていることがわかります。
 
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    しっかりした血圧管理が大切なんですね!!
 
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それでは心臓の病気についてもみてみましょう。
狭心症心筋梗塞どちらも動脈硬化が原因となり血液の流れが悪くなったことで起こる病気です
狭心症は、動脈硬化が進行したため心臓を養っている血管が狭くなり、血液の流れが悪くなって心臓の筋肉に十分な酸素や栄養がいきわたらなくなる病気です。
 
一方心筋梗塞は、心臓を養う血管の動脈硬化がひどいため完全に血管が閉塞した状態となっています。血管が詰まったためその先の心臓の組織が壊れてしまう病気です。
この心筋梗塞は長時間の激しい痛みを伴い、死亡率が大変高いのでただちに救急車を呼んで一刻も早く治療することが必要です。
 
 
???そんなこわい脳卒中や心臓発作を予防するためには、具体的に何に気を付けたらいいのでしょうか???
 
 
まず、
血圧が高い人に起こりやすいので血圧をしっかり管理することが大切です。
血圧は1日の中でも波があるため、普段から自宅で血圧を測り、自分の血圧のリズムを確認しておきましょう。
 
 
発作は明け方から午前中に起きやすい傾向があります。血圧の変動を減らすため寒いところを減らす工夫も重要です。
 
廊下やトイレに暖房をいれたり、入浴前にシャワーを出しておいて風呂場を温かくしておくなどもいいですね。急激な血圧の変化をさけるため、42度以上の熱い湯に入るのはさけましょう。
また飲酒や食後・入浴後では血圧は一度下がってから再び上昇します。
無理に息むと血圧が上がり、発作を起こしやすくなります。
飲酒や便秘にも注意しましょう!
    急激な血圧変動がないような生活を心がけてください。
 
 
 
脳卒中の症状であるめまいや頭痛、まひやろれつが回らないなどを認めたらすぐ病院を受診してください。
 
               
心臓発作の症状である胸が重苦しい・痛い・締め付けられる感じがあるなどを認めたらすぐ病院を受診してください。
 
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一番大切なのは、定期的に健康診断を受け、持病の治療が必要な方はかかりつけ医をもって全身管理をしてもらうことです。
持病によっては、合併しやすい病気もあります。普段からご自身の管理をしっかり行ってくださいね!! 
 
 
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今回は、寒い時期に特に気を付けたい病気についてお話ししました。
とても乾燥していますので、インフルエンザなど感染症にも十分注意してくださいね!