慢性腎臓病と診断されて食事療法を頑張っていらっしゃる方。
お疲れ様です
今日は食事療法は腎移植を受けたあとも大切なんだよというお話です。
腎臓にかかる負担を減らすために、ある程度の食事療法は必須です。
それは、腎移植を受けた方ーつまり腎臓をもらった方も同じです。
いただいた大切な腎臓を長い時間守っていくことがとても重要です。
移植を受け元気になると今まで頑張っていた食事療法をおろそかにしてしまう方が多いですが、それは私たち医療スタッフにも問題があると思います。
移植前から、移植後も食事療法を続けましょうねと言ってないとだめですよね。
というわけで、今回は
腎移植を受け、お元気にお過ごしの方に、食事療法を見直してみましょうねというお誘いのお話です
日本での腎移植後の生着率(もらった腎臓が元気に働いている割合)は、どんどんよくなってきています。
とはいっても
移植を受けた方の腎機能は、健常人と比べると5~6割くらいの腎機能にとどまります。
2つの腎臓のうち、一つをもらうのですから、その方がもっていた腎機能の約半分をもらうというイメージになりますので、まぁ合っていますね(予備能力うんぬんは今日は省きます)。
だとすると、移植後も慢性腎臓病の状態は続いているわけで、腎臓を元気に保つには、食事療法の実施がとても大切になってきますね
- 腎移植後に発生する主な合併症として
肥満、高血圧、脂質異常症、慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常、貧血などが報告されています。
移植腎が体に馴染むように使う薬の副作用で、どうしても起こりやすくなってしまうんです。
でも原因はそれだけではありません。
これらは腎臓を悪くしてしまう病気ばかりです。
腎移植を受けた方は、元気になり食欲も増進するためか、塩分摂取量は10g/日ほど食べてしまっているようです。
あれ
腎臓を守るには6g/日未満が推奨されていましたよね。
女子栄養大学栄養学部教授の恩田理恵先生が発表された内容からご紹介させていただきますと・・・。
食事療法に対する意識調査の結果は
食塩摂取量に注意していた方の割合は
移植前 90%
移植後 74%
たんぱく質・カリウム・リンなどの摂取量に注意していた方の割合は
移植前がそれぞれ 87%、81%、72%
移植後はそれぞれ 63%、30%、26%
と、明らかな食事療法への意識の低下が認められました。
確かに
私の外来の際も食事療法について聞くと、移植前より熱心さは減っています
コレステロール値やLDL-c値も高い傾向に。。。
大切な腎臓を守るため、移植後もしっかり食事療法を行いましょう
外来でも今まで以上に口うるさく言わせていただきますね
第22回日本病態栄養学会の内容をMedical Tribune 2019.3.17よりご紹介しました。
最後までお読みいただいてありがとうございました
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