組織やチームにとって、リーダーは、何故必要でしょうか?
それは、分岐点で決断し、組織やチームを正しい方向に導くためです。
そのためには、まず、自組織の正しい状態(組織能力や問題など)を把握することが先決です。
次に、正しい方向を見定めて(決断)、メンバーを納得させたり、叱咤激励しながらその方向に向かわせる必要があります。
正しい方向に導くためには、周囲の情報(敵の戦力など)を収集し、目的意識を持って、正しい戦略を練る必要があります。
従って、組織の盛衰はリーダーで決まります。
太平洋戦争時、日本軍は極めて官僚組織的な硬直化した組織でした。つまり、「縄張り主義」、「派閥主義」が横行していたのです。その結果、チームワークが乱れ、戦力を分散することになります。
また、大本営は、戦争の終盤まで本当の意味での戦地の実情を把握していなかった。すべて、間接的にしか情報を得ていない。常に、幾重にもフィルターを通した情報しか得ていなかったそうです。報告するほうも自分達が望む情報のみを取り上げ、好ましくない情報は無視する。
これでは、生きるか死ぬかの極限状態にある戦争で勝てるわけはありません。
戦場の第一線で正しい情報を上げた者も、何度か上層部に情報を無視されるともう情報を上げなくなります。「何を言ってもムダ」という退廃的意識が生まれ、モチベーションも下がり、不信感や不平不満が生じてきます。
同書によると、《失敗するリーダーに共通すること》として次のように述べています。
「周囲の意見や目の前の現実を否定し、自己の意見や思い込みに固執しすぎてしまう」こと。
優れたリーダーはその逆で、組織全体の能力を無限に引き出し、「最善の結果」を導ける人。
リーダーシップは、結果・実績でも判断されます。
この本を読み進む内、以前勤務していた会社とダブらせたり、昨年の東日本大震災時の政府や東電の対応、また、現代の戦争である「グルーバル競争」に敗れた電機メーカーなどの状況をみるにつけ、太平洋戦争時の日本軍と同じ過ちを犯しているように思えます。
危機的状況に対処できるリーダー育成が急務です。