わたしは創業時より、「『人』が大切だ!」と主張し続けてきました。特に、リーダー、管理職の育成を主業
務としていますので、「人」とは主に部下を対象としています。
先日、研修の中で「ES第一、CS第二!」について説明をしたのですが、ある1名の受講レポートには、「わ
たしはCSが優先と思っています。ESはCSを追うことによって自ずとついてくるものだと思っております」
との意見が書かれていました。
しかし、リーダーの理念や方針、戦略などがいくら正しくても実行するのは担当者、部下です。商品開発
をしたり、物を製造したり、店頭で直接お客様に商品やサービスを提供するのは「人」(部下)です。
顧客満足は、顧客接点で決まりしかもスタッフの応対で左右されることが多いと思います。
顧客接点のスタッフが不満を持ちながら仕事をしていて、お客様により快適なサービス対応をすることが
できるでしょうか?より良い商品(製品)を開発したり製造することができるでしょうか?
わたしはできないと思います。
「不満」はモチベーションの低下につながります。モチベーションが低ければ、積極的・前向きな行動は顕
在化しませんしお客様満足にはつながりません。
結果的には、客数も減って売上も下がり、最後は「倒産」という事態にいたるでしょう。
だから、CS(Customer Satisfaction)の前にES(Employee Satisfaction)が大事なのです。
経営リーダーの場合、
まず、社員の「不」を調べて解消し、モチベーション向上策を講じることが先決です。少なくとも不満を解
消できるレベルの処遇や福利厚生を改善すべきです。もちろんすべてのことを一挙にできる経営状況で
はないかもしれません。その場合は、自社の経営状況を社員に知らせて、できること・できるレベルの改
善を実行すべきです。社員はリーダーの本気度を見ています。
管理職の場合も同様ですが、経営者と違い管理職の権限内でできる範囲内で部下の「不」を解消する
努力が必要です。たとえば、残業時間が異常に多い、有給休暇がまったく取れない、少々の風邪くらいだ
と病院にも行けないなどの「不」に対して理解を示し配慮するなど。
また、全社的なことであれば上司や経営者に対して改善提案や要望などを申し述べて部下の「不」を解
消する努力をすることなども必要です。
結局、これらの行動を通じて部下が上司、リーダーを信頼してくれるようになるのでチーム内もまとま
り、部下のモチベーションも向上して組織の成果に結びつけることができるようになります。
まず、勇気をもって部下の「不」を調査して、その「不」を解消する努力から始めましょう!!